NEXTA MAGAZINE

NEXTA MAGAZINE

/ 2023.04.06

  • SE 構法

スケルトン階段のデザイン実例と施工方法や注意点を解説

ワンランク上の部屋作りを目指したい方に、おすすめの「スケルトン階段」。デザイン性が高く、空間を広く見せる効果があるため人気が高い構造ではありますが、安全性が気になるという方も多いのではないでしょうか。

おしゃれな階段ではありますが、転落したり、物が落下する危険性があるのではなど気になりますよね。理想のスケルトン階段を取り入れた家づくりを実現するためには、デメリットを知り、間取りや建築時に工夫をすることが重要となります。

ここでは、スケルトン階段のある邸宅の実例や後悔しないために必要な注意点について解説していきます。

スケルトン階段の特徴とは?

実績ギャラリー|Modula奥沢

スケルトン階段とは、建物や構造物など階段の形式の一つで、階段の踏面や蹴り上げ面を構成する素材を極力減らし、鉄骨などの骨組みだけで構成することを指します。

「オープン階段」や「シースルー階段」、「ストリップ階段」などいろいろな呼び方をされています。

スケルトンのデザインとしては、主に5種類あります。

・真っすぐに伸びた「ストレート」
・頂上付近または下で少し曲がった「上曲がり」や「下曲がり」
・途中で折り返される「Uターン」
・途中で左右どちらかに直角に曲がっている「L型」
・らせん状に上がる「らせん」

設置する際には、安全性を考慮したものや手すりなどを最小限に抑えたデザイン重視のもの、LED搭載のロマンチックな演出を施したものなど様々なデザインを反映することができます。

通常の階段はどんな構造?

一般的な住宅に多く採用されている階段は、「箱型階段」と言います。その名の通り、箱を積み上げたようなつくりの階段です。主に、上り下りの時に足が乗る「踏み板」と垂直に立って踏み板を支える「蹴り込み板」、壁側から踏み板を支える「側板(ささら)」の3つの部材で構成されています。

このタイプの階段は、階段下に収納スペースやトイレを設置するなど、空間を有効活用しやすいという特徴があります。

また、大部分が壁に隠れたつくりとなるため、比較的安価で設置することも可能です。

スケルトン階段の構造は

一方、スケルトン階段の基本構造は、階段を登る際に足を乗せる板を側板(ささら)の上に乗せた構造となっています。

側板(ささら)は、階段を横から見たときにギザギザ状になっている部分のことです。スケルトン階段には、蹴り込みという踏み板を縦方向に繋ぐ板がありません。踏み板と踏み板の間は空間が空いていて、階段の向こう側が見えるので、斜めにかけた梯子に似ています。

先述にあるように、ストレートやUターンなど様々なデザインがあります。デザインの種類が豊富であるため、好みや間取りに合わせて設置することが可能です。

スケルトン階段のデザイン事例を紹介

明り取りの窓から差し込む陽光を遮らないシンプルなデザインのシースルー階段です。

実績ギャラリー|Modula奥沢

2階にリビングのある3階建て住宅はどうしても1階部分が暗くなってしまいがち。でも窓のある空間にシースルー階段を採用したことで、階段下も明るい空間になっています。

1階の玄関から、2階、3階へと続く階段。上階から差し込む自然光を邪魔しないから、玄関も明るく開放的。光に溢れた三階建て住宅が叶いました。

実績ギャラリー|Modula松庵

スケルトン階段の施工方法について詳しく解説

まずは、2階吹き抜けの手すりを設置します。その後、階段のトラスフレームを設置し、高さの基準を決めたうえで壁側にベースプレートを設置するのが一般的な施工の流れです。

スケルトン階段を設置する際には、強度の確保や設置工事のコストがかかるため、通常の階段よりも導入費用が高くなる場合があります。デザインなどによっても異なりますが、コストを抑えたものだと30万円程度、細部にまでこだわると100万円程度する場合もあります。

素材は一般的に、スチールやアルミ、木、ガラスなどを使って施されます。
既製品は仕様が変更できないという点はありますが、比較的コストを抑えやすくなります。
反対に、オーダーメイドにすると高価にはなりますが、素材や色、形などのディテールにこだわったスケルトン階段を設置することができます。

スケルトン階段のメリットは

実際に設置すると、どのようなメリットがあるのでしょうか。ここでは、スケルトン階段が人気である主な理由について解説していきます。

デザイン性が高い

スケルトン階段は、踏面や踏み込み面の素材を極力減らし、骨組みだけで構成されるため、美しくモダンなデザインが可能となります。

設置することで、ただ上り下りするツールとしてだけでなく、インテリアのアクセントにもなることが大きなメリットです。

おしゃれな階段があることで、室内のデザイン性がワンランクアップします。例えば、ブラックアイアンの骨組みで構成すると、男性的でクールなインテリアに似合い、ホワイトカラーを採用すると女性的でやさしい雰囲気を演出します。

「魅せる階段」として取り入れることで、色合いやデザインによって様々なコーディネートを楽しめるでしょう。

建物内の空間を広く感じる

従来のコンクリートや木造の階段と比較して、スケルトン階段は素材を減らすことによって、建物の内部空間を通常の面積より広々と感じさせることができます。階段の横側も壁がないため、視界が遠くまで広がり、開放感のある空間が演出されます。

また、階段に使う素材が少ないことで、自然光を取り入れやすいこともメリットです。

通常の階段と違って、蹴込み板がない分、日光を遮断することなく室内を明るくします。
光を多く取り入れることで、より空間を広く見せられます。同じ面積でも、通常の階段とスケルトン階段とでは、見晴らしが大きく変化することが大きなポイントです。

スケルトン階段で後悔しないために知りたいデメリットと解決策は

スケルトン階段には、デザイン性や空間を広く感じさせるという家づくりにおいて大きなメリットがある一方で、通常のつくりとは異なるためデメリットがあるのも事実です。

ここでは、スケルトン階段で後悔しないために知っておきたいデメリット面と、デメリットをフォローするために必要な解決策について解説していきます。

スケルトン階段は危ない?転落の可能性がある

スケルトン階段は、段差と段差を繋ぐ蹴り込み板がなく、手すりの支柱の間が大きく開いているものもあります。

そのため、特に小さなお子さまがいるご家庭の場合は、安全性を兼ねたデザインを選択したり、転落防止策を取るようにしましょう。

例えば、落下防止ネットを使用したり、手すりや蹴り込み板にパネルを取り付けるなどの対策が挙げられます。

冷暖房効率が落ちる

スケルトン階段は、設置する場所が吹き抜けとなっているため、冷暖房効率が低下しやすいという側面を持ち合わせています。空気循環に優れているという一面はあるものの、冬は寒さ対策が必要となります。

例えば、厚手のカーテンを付けたり、窓や壁に断熱シートを貼るなど各部屋の断熱対策をしっかり取るようにしましょう。一般的に暖かい空気は上昇し、冷たい空気が下に留まるというのが空気の特徴です。

何も対策を講じていない場合、スケルトン階段を設置することで、2階の冷気が1階に下りてきて足元が冷えると感じることがあるでしょう。吹き抜け空間が増えるので、気密性や断熱性を考慮した設計も重要となります。高気密・高断熱の家づくりを検討することで、冷暖房効率の低下も大幅に改善できます。

テレビの音が漏れやすい

デザイン性の美しさからリビングに設置されることが多いスケルトン階段ですが、1階と2階が直結している場合、遮音性が低いという特徴があります。

構造上、素材が少ないため、反響音が響きやすく、テレビの音も漏れやすくなります。よって、音が反響して気になり後悔しないために、各部屋の防音対策をしっかり取ることも大切です。

例えば、テレビやスピーカーなど音が出る家電を壁から離して設置したり、遮音カーテンやカーペットを敷くなどが挙げられます。家具の配置や間仕切りをつくるなどの工夫によって、音漏れのデメリットはカバーできます。

階段下収納などができない

スケルトン階段は、階段下を活用できないというデメリットがあります。箱型階段の場合は、階段下の空間を利用して収納を設置することも可能ですが、スケルトン階段は構造上難しいです。

階段下収納をつくれない代わりに、玄関収納を大きく取るといった間取りの工夫を取ることをおすすめします。

また、スケルトン階段の側面に本棚を取り付けるという方法もあります。階段の幅にゆとりを持たせて、ライブラリースペースを設けることで、機能性をプラスしたオリジナルなデザインが実現します。

通常の階段より強度を高める必要がある

スケルトン階段は、通常の階段よりも素材が少なくなります。蹴り込み部分がないため、構造的にやや強度は落ちるのです。安全性を考えると強度の高い素材を使用する必要があるため、材料が限られ、コスト面で妥協しにくい傾向があります。

おしゃれなスケルトン階段もSE構法のModulaなら安心

実績ギャラリー|練馬区注文住宅

スケルトン階段は、設置するだけで、一気におしゃれな雰囲気になり、空間も広く感じられる魅力的な階段です。

階段を部屋の外に設置する間取りと比較すると、リビング内にスケルトン階段を付けた間取りの方が大空間が実現します。一方で柱のスパンが広くなる大空間リビングは耐震面の不安が付き物です。

スケルトン階段の落下防止ネットや断熱・防音対策に加えて、建物自体を強くする「SE構法」であれば「スケルトン階段のある大空間リビング」が叶います。

Modulaなら、美しさと安全性を兼ね備えた理想の住宅が実現します。

施工実績ギャラリー施工実績ギャラリー
クラブネクスタ登録フォーム
施工実績ギャラリー
PAGE TOP