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/ 2023.01.30

  • SE 構法

長持ちする、強い家の特徴は?100年暮らせる木造住宅

長く安心して住み続けられる家づくりは、注文住宅を建てる人にとってもっとも大きな課題です。

日本の住宅の寿命は30年程度だと言われることもあります。国土交通省の推計によると、平均築年数が32.1年。これは欧米に比べて、かなり短命です。

参考:国土交通省『我が国の住宅ストックをめぐる状況について(補足資料)』

地震の多い日本において古い家屋は耐震面などで不安が生じます。また湿度が高く寒暖差の多い気候から、断熱性や気密性などの面を考慮して新築への住み替えを考える方も多かったのです。そのため欧米と比較し、古い建物の価値が市場価値として低くなってしまった現状があります。

建てては壊す時代から、質のいい建物に長く住み続ける時代への変革が求められる昨今。私たちに必要なのは、自然災害に強く、快適性の高い、長持ちする木造住宅だといえるでしょう。

ここでは、強い家の構造や設計のポイント、長持ちさせるためにできる基礎知識をご紹介していきます。

長持ちする家の特徴とは?

長持ちする家の特徴は、主に3つの条件が挙げられます。

・災害(水害)に強いこと
・耐震性が高いこと
・メンテナンス性が良いこと

こちらでは、長持ちする家の特徴についてそれぞれ解説します。

災害に強い/水害

水害は、言わずもがな住宅の寿命に大きな影響を与えます。湿ることで断熱材の性能が落ちたり、木材の腐敗やカビによる劣化が起きやすくなってしまうなど、浸水が起きると建物の部材に深刻なダメージが加わります。

ハザードマップなどで調べ、家を建てる場所の安全を確認することも大切ですが、適切な対策を講じ、リスクを軽減することも大切です

国土交通省が推奨する水害対策は以下の4項目です。

・かさ上げ…盛り土をして敷地全体を高くする
・高床…基礎を高く作り1階の床を高くする(1階部分をガレージなどに利用する)
・囲む…防水性の塀や止水板を設置して浸水を防ぐ
・建物防水…外壁に防水塗料を塗布するなどして防水性を高める

※参考:国土交通省『浸水の予防・人命を守る家づくり』

耐震性が高い

日本は地震大国と言われるほど地震発生率が高い国であるため、長持ちする家を実現するには、耐震性が高い工法を用いることが重要です。

代表的な工法として、「SE構法」があります。SE構法とは、木造住宅の構造に科学的な計算を取り入れた工法です。大きな特徴として、優れた耐震性と自由度の高い設計の実現を持ち合わせています。

SE構法で建築する住宅は、地震や台風などの自然災害によって住宅にどのような力が生じるのか、そしてどのように変形するのかが計算されています。

※SE構法についてもっと詳しく知りたい方は以下のページを参考にしてください
Modula×SE構法

メンテナンス性が良い

家を建てた後は、定期的なメンテナンスが必須となります。なかでもとくに重要なのは外壁・屋根の塗装です。

築10年を経過すると、外壁や屋根の塗装が剥がれやすくなるため、再塗装の必要があります。外壁や屋根は雨風の衝撃や湿気から住宅を守っているもの。それだけにダメージを受けやすく、放置してしまうと機能が低下していきます。

耐用年数が長い素材や塗料を選定したり、消耗が早い設備機器や部材を簡単に補修・交換ができるものを使用することで、メンテナンス性の良い住宅が実現します。

メンテナンスには、時間も費用も必要となるため、できるだけ頻度を抑え、負担が軽くなるよう工夫したいものです。アフターフォローのしっかりとしたハウスメーカーを選ぶことも重要になります。

長持ちする家の構造・設計のポイントは「雨・紫外線・断熱性能」

住宅の耐久性は雨漏りや結露、紫外線によって低下していきます。そのため木造住宅を長持ちさせるためには、設計面での形状的な配慮や、「気密性」「換気性能」を高める構造にすることが重要です。

形状的な配慮「雨や紫外線から家を守る」

雨漏りや結露で構造体の腐食が進行し、紫外線の影響を受けることで外壁や屋根が劣化していきます。

できるだけ屋根の軒を出す形状にすることで雨漏りや紫外線の対策になる場合もあります。
軒が、傘のような役割になるのです。外壁をできるだけ濡らさず、紫外線をなるべく当てない設計にすることで、雨漏りリスクや紫外線によるダメージを軽減できます。

構造的な配慮「断熱性」

結露の発生を防ぐためには、断熱構造にすることが効果的です。窓や壁の表面温度が下がりすぎないよう、断熱性能を高めたり、室内の温度差を少なくするため壁や床、天井、開口部などの断熱も考慮した設計になっているかに注目しましょう。

ZAHを超えた断熱性能「HERT20」とは

「HEAT(ヒート)20」とは、一般社団法人 20年先を見据えた日本の高断熱住宅研究会の略称。冬期間に室内での体感温度を10℃〜15℃以上保つために必要な断熱性能を基準とした指標を提示しています。

指標の具体的な内容は以下です
・日本を8つの地域に区分
・各々の気候に適した断熱性能の基準値を設定
・評価をグレードで分類

断熱性の高さを示す数値は、UA値を用いています。「ZEH(ゼッチ)」などよりも、厳しい基準となっているのが特徴です。

HERT20・G2グレードの断熱性は?

HERT20の指標にはG1、G2、G3の3つのグレードがあります。これは数字が大きいほど高水準となるものです。

G2グレードの基準は以下の地域で冬期間の最低体感温度が一定水準を下回らない性能です。

・1地域(佐呂間町等)と2地域(札幌市・旭川市等)で概ね15℃
・3地域(盛岡市・青森市等)〜7地域(鹿児島市・高知市等)で概ね13℃

※HERT20・G2グレードの住宅を体感したい方は以下のページをご覧ください
断熱性を高めた家「Modula久我山」

日本の建築の耐久性は?

一般的な住宅の寿命を計る基準として、「法定耐用年数」が用いられます。
法定耐用年数とは、固定資産の使用できる期間として、税法上の耐用年数を示したものです。

・木造住宅(22年)
・鉄骨造(34年)
・鉄筋コンクリート造(47年)

それぞれ素材で、上記の期間を経過すると建物の価値がゼロになります。しかしあくまで減価償却費を決算書に計上するために必要となる基準として、資産に耐用年数を定めているもので、実際に使えなくなるかどうかは別の問題です。実際は耐用年数が過ぎてもそのまま使い続けられる場合が多くなります。

木造の家は何年持つの?

木造住宅の寿命は、一概に年数を定めることが難しいものです。法定耐用年数では22年となっていますが、築40年以上の木造住宅が販売されていますし、築100年を超える住宅に居住している方も。耐用年数と実際に居住できる年数は異なるのです。

現存する神社仏閣の多くが木で作られているように、メンテナンス次第では100年も200年も持つのが木造建築なのです。

骨組みや基礎軸組の木材が適切に保たれていて、メンテナンスが行き届いていれば、100年を超えても木造住宅は居住ができます。

国土交通省の木造住宅期待耐用年数によると、以下の基準が示されています

・フラット35基準程度:50年〜60年
・劣化対策等級3:75年〜90年
・長期優良住宅認定:100年超

※参考:国土交通省『基礎・躯体に係る期待耐用年数の目安』

住宅の耐用年数・耐久年数とは

「耐用年数」と「耐久年数」この2つの言葉は、似ているようで全く違う意味を持っています。こちらでは、住宅の耐用年数と耐久年数についてご紹介します。

耐用年数

住宅の耐用年数とは、「減価償却資産の耐用年数等に関する省令」で決められた法定耐用年数のことを意味します。
木造住宅の場合は、法定耐用年数が22年とされていますが、その期間を過ぎても居住は可能で、あくまでも減価償却の目安年数です。資産価値がこの期間でなくなる、と国が定めた年数をいいます。

耐久年数

一方、住宅の耐久年数は、住宅メーカーなどが独自のテストや判断によって、「このくらいの期間は住宅として問題なく使用できる」と推定している年数を意味しています。

あくまでも推定であるため、これより前に問題が起こる可能性もありますし、それ以降に問題が発生しない可能性もあります。

家を長持ちさせるためにできることは?

実績ギャラリー|Modula世田谷経堂

木造住宅は、ライフスタイルの変化によって30年前後で建て替えを選択する方が多いですが、実際はもっと長持ちさせることが可能。そのためには、適切なメンテナンスが必要です。

こちらでは、家を長持ちさせるための4つの方法についてご紹介します。

定期的なメンテナンスをする

経年劣化は、およそ築10年程度で気になってくるケースが多いと言われています。外壁や屋根の再塗装、シーリングの打ち替えなどは、10年を目安に実施の必要があると考えておきましょう。

破損や傷みが既に発生している状態である場合、周囲にも影響が及んでいる可能性があり、さらに大規模な工事が必要となるケースも多いものです。

経年劣化を放置していると、再塗装では補修しきれなくなってしまいます。大規模な工事を行うとなると、費用負担も莫大になってしまう恐れがあるため、定期的なメンテナンスの重要性を理解しておきましょう。

水回りの点検を早め早めに行う

お風呂やキッチン、トイレ、洗面化粧台などの水回りの点検は、早めに行いましょう。

毎日使う場所ですが、水回りの劣化は、見える部分だけではありません。水が漏れていたり、見える部分にカビが発生しているだけでなく、基礎部分にヒビ割れが発生していたり、露出していない部分にカビが発生しているケースも考えられます。

劣化症状の見落としによって、水回りだけでなく他の部分にも腐食が広がる恐れがあります。見えない部分の点検は、業者に依頼すると安心です。

水回りのゴムパッキンやバルブの劣化などは、自分で点検することも可能ですが、不慣れなまま行うと失敗する可能性もあるため、プロに任せるのが安心ですね。

シロアリの調査をする

シロアリは、主に木材を餌とする害虫で、被害に遭うと床材や柱のなかを食べられてしまい、スカスカな状態になってしまいます。その結果、耐震性や耐久性が低下し、小さな地震でも倒壊リスクが高まります。

シロアリ被害に遭わないためにも、1年に1回は定期点検を実施することが理想です。毎年調査を実施していれば、シロアリの巣を発見した場合でも、早期発見が可能となるため、対処が楽になります。

湿度を管理する

湿度管理ができていないと、結露が発生しやすくなり、カビやダニが繁殖しやすくなるので、健康被害を引き起こす可能性があります。

調湿性の高い建材を使用したり、オープンな間取りにすることで、湿度を調整できます。さらに、断熱性能や気密性能に優れている窓やサッシを取り付けることも大切です。

家のなかの湿度が上昇すると、窓を開けたくなるかもしれませんが、逆に外の湿度を取りこんでしまうので、エアコンの湿度機能などで湿度を下げるようにしましょう。

長期優良住宅のModulaだから叶う「長持ちするお気に入りの家」

一般的に、30年程度が寿命であると言われることが多い木造住宅。しかし、気密性や換気性能の良い設計を採用することで、家を長持ちさせることができます。

災害や水害への強さ、耐震性の高い構法、メンテナンス性の良さなどを意識した家づくりを行い、腰を据えて、長く、ていねいに暮らしていくことは、経済的にも環境にとっても大きなメリットになるでしょう。

長期優良住宅のModulaなら、家族が安心して、代々住み続けられる家を現代に実現することが可能になります。

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