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/ 2022.07.07

  • SE 構法

地震に強い家の特徴を知る|家族の安心とこだわり、2つのポリシーを貫く最適解は?

ライフステージの変化にともなって、戸建て住宅の購入を考える時、多くの方が心配になるのが「住宅の耐震性能」です。地震の多い日本で暮らすには、いざというとき家族の安全を守れる家であるかどうかは大きな課題となります。

「日本の気候にあった木造住宅の木の香りや、ぬくもりに憧れるけれど、木造住宅ってどうなの?地震に弱いって本当?」

そんな不安をお持ちの方に向けて、ここでは「地震に強い家の特徴」を、材質や構造、形状、工法からひも解きます。

家族が安心してそれぞれの時間を過ごせるような家づくり。そのための参考になれば幸いです。

地震に強い家の特徴|材質や構造は

日本の風土に合った木造住宅は、古くから多くの人に選ばれてきた構造形式です。しかし木造住宅は地震に弱く、鉄筋コンクリート造は地震に強い、というイメージを持たれている方が多いようです。

鉄筋コンクリート造の建物でないと心配?

鉄筋コンクリート造(RC造)は、強度が高く倒壊しにくいため、商業施設やマンションなどで多く使用されており、その特徴は耐震性の高さと耐用年数の長さです。

鉄筋は引っ張る力、コンクリートは圧縮する力に強い性質があり、重量を「面」で支える構造となっています。そのため梁や柱に負荷が集中せず分散しやすいため、地震の揺れに対するダメージが少なくなるのが利点です。

商業施設や公共施設などの大きな建物では「構造計算」が義務付けられています。このような建物には鉄筋コンクリート造の建物が採用されることが多く、倒壊を防ぐための厳密な計算を重ねているのですから、耐震性に優れた建物が多いのも当然といえるでしょう。

※構造計算については、「構造計算をして建てられた家」で詳しく解説しています

耐震といえば鉄筋コンクリート造、というイメージは間違いではありません。しかし木造住宅が著しく劣るのかといえば、そうではないのです。

日本の建築物において、建築基準法で定められた現行の耐震基準では、震度6強〜7に達する程度の大規模地震でも、倒壊・崩壊するおそれのない建築物であることが求められています。また長期優良住宅制度の制定によって、建築基準法で定める耐震性能の1.5倍以上の性能を持つ建物も増えてきました。

建物の材質や構造自体の強さに差はありますが、耐震面で「木造住宅だから不安」という時代は過ぎ去ったと考えていいでしょう。

地震に強い木造住宅の工法は

木造住宅は一般的な住宅の構造形式として積極的に利用されています。季節によって湿度の変化が大きい日本の気候に適しており、鉄骨造住宅よりも吸水・吸湿性に優れた工法です。

さまざまな工法がありますが、そのうち耐震面や住空間として優れているのはどの工法でしょうか。代表的な3つの工法をみていきましょう。

在来工法/木造軸組工法(耐震性:★★)

日本で古くから重用されている「木造軸組工法(​​もくぞうじくぐみこうほう)」は、コンクリートの土台に柱を立て、梁を渡し、筋交いと呼ばれる斜めの材で補強をする工法です。

筋交いを使用し、耐力壁を作ります。横からの力が加わったときに筋交いが支えになり、建物が歪むのを防ぐ仕組みです。

一般的な工法なので対応している工務店が多く、コストも押さえやすい傾向があります。また間取りの自由度が高いのも特徴です。しかし残念ながら耐震性においては3つの工法のなかでは最も低く、ハウスメーカーや職人の技術によってばらつきが出ることもあります。

ツーバイフォー(2×4)/木造枠組壁工法(耐震性:★★★)

おもに2インチ×4インチの角材で枠組みを作り、構造用の板状の材を接合し、専用金具でつなぎ合わせ、強い六面体の構造を形成する工法です。つまり「箱」のような形状をした一体構造なので「六面」で建物を支え地震の力が一点に集中しないため、耐震性能は高くなります。

一方「箱」どうしを並べたり上に詰んだりして設計するので、間取りの自由度は制限される上、大がかりなリノベーションが難しいなどのデメリットもあります。

SE構法/木造ラーメン工法(耐震性:★★★)

従来、鉄筋コンクリート造マンションなどで採用されている構造の中に「ラーメン構造」があります。柱と梁からなる、額縁のような構造体(ラーメン)を強く接合し、一体化させる工法です。これを木造住宅に応用したのが「木造ラーメン工法」。

木造ラーメン工法では、木製の柱と梁を特殊な金物を使って一体化させることで、水平力に耐えられるフレームを作ります。そのため耐震性を損なうことなく大きな開口や大空間を木造住宅で実現できるのです。

比較的新しい工法のため、施工できる工務店、住宅メーカーが少ないことや、価格が高いことが数少ないデメリットといえるでしょう。

木造ラーメン工法の中でも、高精度集成材、SE金物、構造計算によってさらに耐震性を高めたものが「SE構法」です。

※SE構法について詳しくは以下のページをご覧ください
Modula×SE構法:SE構法とは

木造住宅、建物の強さは「部材の接合部分」で決まる

在来木造工法では、柱と梁をつなげる部分に「ほぞ」という穴状の加工を行いますが、柱材に穴をあけると強度は落ちてしまいます。

この接合部分に大きな負荷がかかれば重要な柱にダメージを与えることとなり、建物を支えきれず倒壊しかねません。

過去の震災では部材の接合部分が破損したことで、たくさんの建物が倒壊しました。地震で起こる引き抜きの力は凄まじいものです。土台と柱の接合部をアンカーボルトで補強していた物件でも、アンカーボルトごと引き抜かれ倒壊してしまう事象も数多く見られるほどでした。

▼震度7の地震で建物はどのように倒壊するのか

地震による大きな揺れが起きたときに備えて強度を必要とするのは、柱と梁だけでなく、柱と基礎の「接合部分」も同様です。建物が揺れた際には、柱に対して大きな「引き抜き」の力が掛かります。接合部分が弱いと柱が引き抜かれてしまい、建物が倒壊してしまうのです。

ほぞを作らず、柱と基礎の連結部分に「柱脚金物」という特殊な金属や高強度のアンカーボルトで直接連結する工法で作られた建物は、引き抜きの力に対して強度が高くなります。

・接合部分の欠損が少ないこと
・接合部分に強度の高い金物を使っていること

上記が木造住宅の耐震性能に大きく関わってくるのです。

地震に強い家の形状的な特徴

大きな地震が起こった時、建物は縦方向や横方向に強い力を受けます。また建物には、通常時でも上から下に向けて大きな力が掛かっていて、1階は上の階の荷重を支えているのです。そのため、地震の揺れに強い形状の家にするには、以下の条件を満たす必要があります。

・横からの力や上からの力が掛かったときに耐えられる
・上から下へかかる力をうまく受け流せる

つまり単純な四角形の建物が構造上、最も耐震性が高いのです。さらに以下のような形状であれば、理論上、地震の揺れに強くなります。

壁が多い間取り

建物の構造上、高さのある複層階住宅に比べて、重心が低い建物ほど地震による揺れが少ないという特徴があります。平屋のようなタイプは、長方形・正方形のような単純な構造になるため、その傾向は顕著です。しかし一方で広い敷地が必要となり、都内では現実的でないかもしれません。

壁が多い間取り

壁の数が多いと建物を支える部分が増え、地震の力を分散できます。地震に強くなるのは当然と言えるでしょう。また上階と下階の壁の位置を合わせれば重くなりやすい部分を支えられるため、構造的にはさらに強くなります。

地震に強いのは平屋だけ?

広いリビングや吹き抜けのある空間、間続きの部屋を作りたい場合、壁や柱を減らすことになるため地震に弱いのではないかと不安に思われるかもしれません。

しかし耐震構造をしっかり考え設計された家であれば、複層階住宅であっても大間口の空間があっても、耐震性に優れた家を建てることは可能です。

地震に強い家の定義とは

材質や構造、工法のことがわかってきたら、次は建物の耐震性を具体的に比較する方法が知りたいところです。建物の耐震性を計る基準には、以下のものがあります。

国が定めた定義に準拠している家

建築基準法
建築基準法では、建物に対しての「耐震基準」が設けられています。基準を満たした住宅にのみ建築許可がおりる仕組みです。1981年の法改正以前は、震度5強程度の地震でも損傷しないことという決まりがありました。新耐震基準では旧耐震基準に加え、震度6〜7程度の地震でも倒壊、崩壊しないことが追加で定められています。

品確法(住宅品質確保促進法)
品確法では、住宅の品質確保を目的として「耐震等級」を定めています。これは地震に対する建物の強度を示す指標の1つです。 耐震等級の値は、1から3。数字が大きくなるほど耐震性能は高くなります。

長期優良住宅法
「長期にわたり良好な状態で使用するための措置が講じられた優良な住宅」として国が定めた基準を満たした住宅を認定するものです。認定を受けるためには、品確法で定められた「耐震等級2」以上の強度が必要となりますが、認定されれば税制面での優遇や住宅購入時の金利優遇など様々な利点も得られます。

耐震構造の家

大きな地震が発生したとき、建物が受ける被害の程度を左右するのは「耐震強度」です。地震の揺れに耐える建物の耐震強度は、その構造によって決まります。

耐震構造とは、地震によって起こる水平方向の力に対して、壁や柱、梁の強さで抵抗し、十分に耐えるよう設計された建物の構造です。その基準は建築基準法に基づいて定められています。
(※建築物の用途、規模、構造の種別、土地の状況に応じて異なります)

・柱、梁、床、壁等を有効に配置し、建築物全体がこれに作用する力に対して一様に構造耐力上安全であること
・構造耐力上主要な部分は、建築物に作用する水平力に耐えるように釣り合いよく配置すること
・構造耐力上主要な部分には使用上の支障となる変形または振動が生じないような剛性および瞬間的破壊が生じないような靱性を持たせること

建築基準法施行令から引用

過去数十年を振り返っただけでも、大きな地震を何度も乗り越えてきた日本。いつか来る大きな地震から家族を守り、安心して暮らすためにも耐震構造は不可欠です。

構造計算をして建てられた家

鉄骨造や鉄筋コンクリートで建てられた大型の建物には、法律によって構造計算が義務化されています。しかし500平方メートル以下、木造2階建て以下の建物については、構造計算の義務がありません。

そのため一般的な木造住宅は、簡易的な計算のみで施工するケースが多くなりますが、最新の工法では全棟で厳密な構造計算を実施するものもあります(SE構法など)。

構造計算では、品格法(壁量計算)で確認された耐震等級よりもさらに信頼性の高い耐震等級の表示が可能です。構造計算が行われ、数値によって安全性が裏付けされた家に住む安心感は、それだけで大きな付加価値といえるでしょう。

SE構法なら、吹き抜けのリビングもガレージのある家も、もうあきらめない

木造住宅、吹き抜けやガレージなど空間の多い家は、地震に弱いというイメージをお持ちだったかもしれません。しかし工法によってはハイクオリティな品質と、デザイン性の高い空間、どちらも手に入れることが可能です。

安心と、理想の暮らしの両立。

SE構法ならば イメージ通りの大空間を確保できます。もう、あなたの感性に蓋をする必要はありません。modulaは、心から納得できる空間づくりをサポートします。

※SE構法について詳しくはこちらのページをご覧ください
Modula×SE構法:SE構法とは

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