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/ 2020.01.10

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土地の価格はどう決まる?なるべく高く土地を売るために知っておきたい基礎知識!

土地・建物などの不動産関係の資産を売るときは、国が定めた算出方法に則って行う必要があります。しかし、実際に算出方法を知りかつ使いこなせる一般の人はほぼいないでしょう。

そこで今回は、土地を含めた不動産の価格を決める方法や、少しでも高く売る方法を紹介します。この記事で、土地の価格の出し方や、高く売る方法を身に付けましょう。

土地価格(土地の評価額)の基本的な考え方

土地を購入、売却するときはその土地の評価額を必ず確認するようにしましょう。土地の標準価格基準を調べて事前に自分の所有している土地がどれくらいで売れるのかを把握しておくのは、今後の資金繰りなどを踏まえたうえでとても重要です。

では、どのようにして土地の評価額を調べればよいのでしょうか。実は土地評価の算出方法は「一物五価」または「一物四価」と呼ばれており、「公示地価」「基準地価」「路線価(相続税評価額)」「固定資産税評価額」「実勢価格」の最大5種類存在します。

すべてを完璧に覚える必要はありませんが、どのような種類があるのかは知っておいて、できれば覚えてしまった方が良いでしょう。

不動産評価額はどのように決められているのか

不動産とはそもそも、土地、建物、立木を含めたものの総称です。そのため、不動産評価額は土地と建物の両面から査定する必要があります。

ちなみに土地は前述したように「一物五価」または「一物四価」を用いて評価されますが、建物評価額の算出方法は、建物と土地の状況に応じて異なります。それぞれの評価を種類ごとに見ていきましょう。

土地の評価額の種類について

それぞれの土地の評価方法や公示される場所、目的などを知っておくことは土地の価格で損せず正確に算出するためにとても重要です。以下の5種類の特徴を覚えて、どのように使い分ければよいのか覚えておくと良いでしょう。

 

公示地価

公示地価とは、国土交通省が「時価公示法」を基に決めた土地の価格のこと。
毎年、1月1日時点の地価(土地の価格)を鑑定し、3月下旬にその結果を国土交通省公式サイトの「地価公示・都道府県地価調査」のページで見ることが可能です。[注1]

調査地点の数は、都市計画区域内を中心に約2万6000~3万地点、調査員は国土交通省から委託された不動産鑑定士2名以上で構成されています。

この公示地価を定める目的は、「公共事業用地の取得価格を知るため」「一般な不動産取引に対する指標」にあるとされており、したがって、土地を売買するときはこの公示地価を参考に価格が決められるのです。

 

基準地価

基準地価とは、都道府県知事が「国土利用計画法」を基に決めた土地の価格のこと。
毎年、7月1日時点の地価(土地の価格)を鑑定し、9月中にその結果を公表します。公示する場所は、先述した国土交通省の公式ページで「都道府県地価調査のみ」を選択することで見ることが可能です。

調査地点の数は、都市計画域外も対象に約2万2000地点、調査員は不動産鑑定士1名以上で構成されています。

基準地価を定める目的も公示地価と同様に、土地取引の指標として用いるためにあるとされていますが、公示地価との比較や情報の補填にも有用です。

 

路線価(相続税評価額)

路線価とは、道路に面する宅地(自宅の土地)1㎡の土地評価額を表すもので、相続税や贈与税などの課税額を決める際にも用いられる価格です。

毎年1月1日時点の価格を鑑定し、7月中にその結果を国税庁公式サイトの「路線価図・評価倍率表」のページで公表します。[注2]

調査地点の数は全国約40万地点で、売買の実例価格や地価公示価格、不動産鑑定士の鑑定評価、精通者意見価格などを踏まえて、最終的に国税局長が決定する決まりとなっています。

評価額は“公示地価額の80%前後”になるように算出されます。なぜ8割になるように算出するかというと、地価の不安定によって所有者が損をしないためです。

路線価が発表されたあとでも、地価は1月1日時点の額よりも下落すること可能性があります。そもそも路線価は1月1日時点の鑑定によって価格が決まるため、いくらその後地価が下がっても1月1日時点の税金を納めなくてはなりません。これでは所有者に不利益が生じるという考えに至り、路線価は8割程度に抑えられるようになったのです。[注3]

 

固定資産税評価額

固定資産税評価額とは、総理大臣が定めた「固定資産評価基準」を基に、固定資産税を算出するときに用いられる評価額のことです。他にも都市計画税、登録免許税、不動産取得税の課税額を算出する際に用いられます。

約3年に1度の割合で評価が更新され、確認方法は各市町村や役場で「固定資産評価証明書を入手する」もしくは「固定資産課税台帳を閲覧する」「市区町村から毎年4月頃に送られてくる固定資産税の納税通知書で確認する」の3通りです。

評価額の算出方法は路線価と似ており、地価変動を想定し公示地価額の約70%になるように設定されています。

 

実勢価格

実勢価格とは、文字通り土地売買で実際に取引された価格のことです。公示地価や基準地価を参考にはするものの、最終的な価格は売り手と買い手の交渉によって決まるものです。

また売買の際は、その土地の過去の実勢価格を参考にする場合があります。期間が空いていたり、取引回数が少なかったりする場合は信用度が低く、あまり参考にならない場合が多いですが、見ておいて損はないでしょう。

このように、土地を売買する際は色々な評価額を参考にする必要があります。

ほとんどの場合、官邸や査定に携わる担当者が行なってくれるものの、自身である程度把握しておくのとしていないのとでは、大きく違いますので、これを機に覚えてしまっても良いかもしれません。

建物評価額の調べ方と算出方法

建物評価額の調べる方法は、一般的に「固定資産税評価額からの算出」で可能です。

しかし、当人が「その建物に住んでいるのか、貸しているのか」、「土地と建物の所有者が同じか、異なるか」によって評価額の算出方法が異なります。

 

土地も建物も所有し、住んでいる場合

土地も建物も所有し住んでいる戸建ての場合は、その不動産を「自用地」とみなして、評価額を算出します。一般的に以下の計算式を用いるので、参考にして下さい。

 

・土地評価額=路線価×面積×奥行価格補正率
・建物評価額=建物の固定資産税評価額
(新築の場合は、建築費×0.5~0.6)

土地も建物も所有しているが、他人に貸している場合

土地や建物を所有しているものの、貸している戸建ての場合は、その不動産を「貸家建付地」とみなして評価額を計算します。以下が貸家建付地評価額の計算式です。

 

評価額=自用地の評価額×( 1–借地権割合×借家権割合×賃貸割合)

 

また、借りている側の場合は計算方法が以下のように異なるため注意しましょう。

 

評価額=自用地の評価額×(借地権割合×借家権割合×賃貸割合)

土地と建物の所有が異なる場合

土地と建物の所有者が異なる場合、土地だけを所有し貸している状態の戸建てを「貸宅地」といい、土地を借りて建物を所有している状態の戸建てを「借地」と呼びます。

それぞれ評価額の計算式が異なるので注意しましょう。

 

・貸宅地の評価額=土地評価額(固定資産税評価額)×( 1–借地権割合)

・借地の評価額=土地評価額(固定資産税評価額)×借地権割合

(借地の建物評価額=建築価格×50~60%)

査定額の根拠となる項目とは?

査定額の根拠となる項目は、共通しているものもあれば建物の種類によって異なるものもあります。共通している査定項目も含め、自身の建物にあった査定項目を知っておきましょう。以下が査定項目の一覧です。

これらの項目は必要最低限チェックされると思っておいた方が良いでしょう。

詳細は後述しますが、査定の際は家のどこがアピールポイントなのか、逆に短所はどこにあるのかを明確にしておくことをおすすめします。

評価額と売値の違いについて

不動産に関して様々な評価方法を紹介してきましたが、実際は査定評価通りにいかないこともあります。評価額よりも低くなることもあれば、逆に評価額よりも高値で買ってもられる場合もあるということです。ではなぜ違いが生まれてしまうのでしょうか。

主な理由としては、売買を行う業者によって得手不得手があるからです。建物といっても商業地を得意にしている不動産業者があれば、住宅地を専門にしている業者など数多く存在します。また実績も業者ごとに異なるため、実際の評価額と差が生まれてしまいがちなのです。もし少しでも評価額と近い価格、またはそれ以上の価格で売りたい場合は、任せる業者の実績や得意分野を事前に調べてくと良いでしょう。

どうすれば土地を高い価格で売れるのか?

どうせ土地を売るなら、少しでも高く売りたいと誰でも考えるはずです。実際の評価額よりも高く売れれば、それだけでも嬉しいことでしょう。以下は土地を少しでも高く売る為にやっておくとよいことです。今すぐできるものはすぐに始めて、時間がかかることに関しては計画性をもって行うようにしましょう。

 

①更地にして売る

土地を売る際、古家などが残っていると高値で売りにくくなります。理由は「その土地の多様性を奪ってしまうから」「取り壊し費用などが住宅ローンの対象にならないため、買い手の負担となってしまうから」です。

土地を購入する人が必ずしもそこに家を建てるとは限りません。駐車場として利用したり、他の建物に変更したりしようと思っているかもしれません。

また古家を取り壊す費用を、買い手が担ってくれることはほぼありません。もし自分が買い手の立場になったときを考えれば、想像は容易なはずです。しかも住宅ローンがきかない点も買い手を失わせる原因となるでしょう。
以上のことから、土地の多様性を確保するためにも土地は更地にしておいた方が良いのです。

 

②売るときに弊害となりそうな項目をチェックし明らかにしておく

土地を売る際に弊害となりやすいのは、「境界の有無」「土壌汚染の有無」「地中障害物の有無」が主です。境界に関しては線が確立していること、土壌汚染に関しては汚染されていない事、地中障害物に関しては土地の使用履歴を明確にしておくことで解消されます。

特に地中障害物は公的機関でも調べることができないため、過去の使用履歴から基礎躯体が埋まっている危険性がないかを土地の使用履歴で示すしかありません。ただこの履歴が明確であるかないかで、土地の価格が関わる可能性は充分あります。

 

③不動産会社を慎重に選ぶ

先述したように、不動産会社にも土地や建物を売る際、得手不得手があります。建物の場合は種類によって実績が異なりますし、土地の場合はその地域に根差した不動産会社かどうかで価格が異なるのです。もし土地を少しでも高く売りたいと考えているのであれば、必ず土地近辺の売買実績が多く、高値で売ることができる担当者を見つけ出すべきでしょう。

決して1社で決めるのではなく、事前に情報を集めつつ複数の不動産会社に見積もりを立ててもらってください。

【まとめ】評価額の算出方法や種類を知って、1円でも高く土地を売ろう!

土地を含め不動産を売るときは、色々な評価方法と計算式を用いて額を算出します。これらの作業は自分1人でできるものではないため、今回紹介したすべての方法を用いて額を算出する必要はありません。

しかし、どのような算出方法があるのかを知っておくことは土地を高く売るためには知っておいた方が良いのです。不動産会社や土地を査定する人の話もわかるようになります。

もし今後、土地や不動産を売ろうとしているのであれば、この記事を参考に知識を深めておきましょう。

【注】

[注1] 国土交通省「地価公示・都道府県地価調査」ページ

https://www.land.mlit.go.jp/landPrice/AriaServlet?MOD=0&TYP=0

[注2]国税庁「路線価図・評価倍率表」ページ

http://www.rosenka.nta.go.jp/

[注3] 路線価は公示地価の80%水準に調整の部分に理由記載有り

https://mitomi-estate.com/system_real-estate-industry/real-estate_price/roadside-land-prices_inheritance-tax/#80

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