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/ 2017.12.07

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資産価値を維持する長期優良住宅の性能基準

日本では古くより木造住宅が好まれていましたが、木造住宅の法定耐用年数は22年。平均寿命も30年ほどと石造建築が一般的なヨーロッパに比べると短いものでした。また、建物を長く大切に扱う文化があるヨーロッパに対し、かつての日本では古くなったら取り壊して建て替えるスクラップ&ビルドの考え方が一般的でした。しかし、近年は日本人の住宅に対する考えも少しずつ変わってきており、長期間にわたり資産価値を維持する長期優良住宅が多くの方に選ばれるようになってきています。

スクラップ&ビルドが常識だった日本の住宅

世界最古の木造建築として有名な法隆寺に代表されるように、日本の建築と言えば昔から木造が主流でした。ただ、他の素材と比べて寿命が短く、地震や火事による災害によって倒壊や延焼してしまう恐れが高い木造住宅と長い年月向き合ってきた日本では、古くなったり損傷したりした場合は取り壊して新しい住宅を建てるというスクラップ&ビルドの考えが根づいていました。

 

しかし近年、その考えにようやく変化が見られ始めています。現在、スクラップ&ビルドに代わり日本で広まりつつあるのは「サスティナブル」という考え方です。もともと「永続性」「持続可能」などの意味を持つサスティナブルという言葉ですが、1992年にブラジルで開催された国際連合会議の「環境と開発に関するリオ宣言」をきっかけに「持続可能な発展」という意味合いで定着。地球環境に配慮した経済活動を指す言葉として建築関係においても頻繁に使用されるようになりました。

 

サスティナブルの考え方を踏まえ、最近注目を集めているのが長期優良住宅です。環境に負担が大きいスクラップ&ビルドの考えに比べ、エコ政策にも重要な役割を果たすと期待されている長期優良住宅は国レベルで奨励されており、長期優良住宅に認定された住宅には、さまざまな優遇政策が設けられています。

長期優良住宅を建てることのメリットとは

長期優良住宅としての認定を受ければ、住宅ローンの所得税が優遇されるという大きなメリットがあります。一般的に住宅ローン減税の最大控除額は500万円とされていますが、長期優良住宅であれば600万円と、100万円もの違いがあるのです。

 

住宅ローン減税制度を利用しない場合には、標準的な性能強化費用相当額の10%が毎年所得税から控除される、投資減税型の特別控除が用意されています。その他にも、登録免許税や不動産所得税、家屋の固定資産税などにおいて長期優良住宅は一般住宅より税制で優遇されており、経済面で非常に大きなメリットがあるのは間違いありません。

 

また、長期優良住宅認定には安全面に関する条件がいくつも設けられているため、これをクリアする以上、自然と通常の住宅に比べ安心・安全な住宅となるのは間違いありません。ただ、もちろん長期優良住宅であっても経年劣化は必ず発生するものであるため、定期的なメンテナンスは必須です。

押さえておきたい性能基準のレベル

長期優良住宅として認定されるためには、子どもや孫の世代まで住み継ぐことができるような、長期にわたり資産価値を維持できる構造であることが不可欠です。選定基準は決してハードルが低くはないため、しっかり把握しておく必要があるでしょう。主に以下の10の条件が挙げられます。

 

1.優れた耐震性
2.省エネルギー性の確保
3.将来を見据えた劣化対策
4.維持保全計画の十分な策定
5.住宅履歴情報の整理
6.居住環境の整備
7.維持管理更新の容易性
8.ライフスタイルの変化に応じられる可変性
9.バリアフリー化に対応できるつくり
10.十分な住戸面積の確保

 

国から定められたこれらの基準をすべてクリアすることで、初めて長期優良住宅と認められます。当然、これらの基準を備えた住宅を建築するには決して安くはない費用がかかります。しかし、数十年後に老朽化によって多くの住宅が建て替えを余儀なくされる一方で、世代を超えて住み継ぐことのできる資産となる点は大きなメリットです。また、長期優良住宅認定によって受けられる優遇措置を考えれば、トータルで見て経済的にお得であることも間違いありません。

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