NEXTA MAGAZINE

NEXTA MAGAZINE

/ 2019.09.20

  • お金のこと

住宅ローン事前審査に落ちる理由は?必要書類や事前審査に通るポイントを解説

住宅ローンを利用しようとお考えの方に立ちはだかる第1の壁が事前審査です。事前審査では、申請者の支払い能力を総合的に判断し、お金を融資するのかどうかを決定します。事前審査を通過するためには、審査のポイントをしっかり把握することが大切です。

今回の記事では、住宅ローンの審査の流れから審査に落ちる理由、審査に通るために必要なことまでを解説します。

住宅ローン事前審査について

住宅ローンを契約するには金融機関が行う審査に合格する必要があります。この審査は、事前審査(仮審査)と本審査の二つに分かれており、はじめに行われるのが事前審査となります。

金融機関が行う審査では、申請者の資産状況や収入などをチェックして、支払い能力の有無を確かめます。支払い能力の有無の最終的な判断は、本審査で行われます。事前審査では、申請者が住宅ローンの審査基準を満たしているのかどうかを大まかに判断します。

事前審査に通過したからといって、住宅ローンが組める訳ではありません。しかし、住宅ローンを組む際にまず初めに考えるべきことは、事前審査を突破することであることは間違いないでしょう。

事前審査と本審査に分かれている理由

仮審査と本審査の2つの審査を行うのは、申請者と金融機関の双方にとって負担になるのではと考える人もいることでしょう。実際はそのようなことはなく、むしろ事前登録と本審査に分けることで、審査の効率化が実現しています。

事前審査では、大まかに申請者が審査基準を満たしているのかどうかを確認します。そのため、審査は3~4日と迅速に行われます。この事前審査により、明らかに基準を満たしていない人をふるいにかけることができます。

本審査のみの実施では、すべての申請者の返済能力を本審査で事細かにチェックすることになります。当然、審査期間も長くなるため、申請者にとってもよくありません。

このように、事前審査と本審査の2段階の審査を行うことにより、審査が迅速に行えるようになり、金融機関と住宅ローン申請者の双方にメリットがあります。ゆえに、各金融機関は、事前審査を導入しているのです。

住宅ローン事前審査の流れ

住宅ローンの申請の流れは以下のとおりです。各ステップについては下部で詳述します。

 提出書類の準備
 事前審査・結果通知
 本審査
 住宅ローン契約

1. 提出書類の準備

購入希望の住宅が見つかったタイミングで、住宅ローンの申請を行います。住宅ローンを組むには、審査を通過する必要があるので、まずはその審査に必要な書類を集めましょう。

必要書類は、金融機関により異なりますが、源泉徴収票などの収入が分かるものや、免許証のコピーなどの本人確認書類はどの金融機関でもマストです。直前になって焦らないためにも、住宅を購入すると決めた段階でこれらの書類の用意を始めておくとよいでしょう。

なお、提出書類は、会社員、自営業、経営者など立場によっても異なります。事前審査の必要書類については、記事下部で詳しくご紹介しているので、ぜひそちらもご覧ください。

2. 事前審査・結果通知

必要翔類を金融機関に提出すると、事前審査・仮審査が行われます。事前審査の結果は、3~4日ほどで届きます。もちろん、金融機関によって審査にかかる時間には幅があります。審査期間を把握しておかないと、せっかく苦労して見つけた物件を諦めることになりかねないので、審査に要する時間については尋ねておくことをおすすめします。

たとえば、お気に入りの物件を見つけて仮押さえをしたとします。仮押さえの期間は1週間程度なので、物件を押さえた後に事前審査を行っても十分間に合うはずです。しかし、金融機関によっては、事前審査に3~4日以上要する場合もあり、仮押さえ期間内に審査の結果の通知が来ないといったこともあり得ます。

このように、審査スケジュールを確認せずにいると、物件の購入がスムースにいかないことがあるので、金融機関に日程を確認することを忘れず行いましょう。

3. 本審査

事前審査を通過すると、正式な申込が行えるようになります。正式な申込の際に行われるのが本審査です。審査期間は1週間程度を要します。この本審査に通過すると、晴れて住宅ローンを契約できます。

4. 住宅ローン契約

本審査通過後に住宅ローンの契約を結びます。そして、契約から1週間~1ヶ月後に住宅の引き渡しのタイミングで借入が行えるようになります。

住宅ローン事前審査の必要書類

以下で住宅ローン事前審査の必要書類を、会社員・個人事業主・会社経営者の3つに分けてご紹介します。

・会社員の提出書類

会社員や公務員の場合は、収入を証明する資料として源泉徴収票1年分のコピーが必要です。もし源泉徴収票を捨ててしまった場合は、会社に再発行を依頼しましょう。再発行手続きは、一般的に総務で受け付けています。

以下に会社員の方が用意すべき書類をまとめていますので、ご確認ください。

 本人確認翔類
 健康保険証
 印鑑
 購入希望の物件に関する資料
 源泉徴収票1年分

・個人事業主の提出書類

個人事業主の場合は、収入を証明する資料として直近3年分の確定申告書のコピーの提出を求められます。なお、確定申告書は、付表も同時に提出する必要があります。

その他の必要書類に関しては、会社員の場合と同様です。以下に個人事業主の方が用意すべき書類をまとめておきます。

 本人確認書類
 健康保険証
 印鑑
 購入希望の物件に関する資料
 直近3年分の確定申告書(付表も込み)

・経営者・会社役員の提出書類

経営者や会社役員の場合は、自身の収入を証明する直近3年分の源泉徴収票に加え、会社の決算書の提出も求められます。決算書は、金融機関が会社の経営状況を確認するために必要な書類であり、こちらも直近3年分を用意しなければなりません。

以下に経営者・会社役員の方が提出すべき書類をまとめているので、ご確認ください。

 本人確認書類
 健康保険証
 印鑑
 購入希望の物件に関する資料
 直近3年分の源泉徴収票
 直近3年分の会社の決算書

・書類提出時の注意事項

事前審査では、本人確認書類や源泉徴収票などの提出資料は、原本ではなくコピーで問題ありません。本人確認書類は、運転免許証のコピーを提出すれば大丈夫です。ただし、免許証は裏面もコピーする必要があります。

印鑑は認印でも問題ありませんが、シャチハタは原則認められません。

審査に落ちてしまうよくある5つの理由

ここでは、住宅ローンの事前審査に落ちてしまうよくある理由を5つご紹介します。

1. 年収が基準を満たしていない

住宅ローンの契約条件の中に最低年収が設定されており、その最低年収を下回っている場合は、審査に落とされてしまいます。
金融機関が行う住宅ローンの事前審査では、申請者にローンを返済し続ける能力があるのかを見定めます。当然、年収が低いと生活が困窮してローンの支払いが後回しにされてしまう可能性が高く、審査に通りにくくなります。

年収の基準は、金融機関によって異なります。一般的に、都市部にある金融機関のほうが、地方の金融機関に比べて最低年収が高く設定されています。

2. 不安定な職業に就いている

収入の不安定な職業に就いていると、事前審査に落とされやすくなります。たとえば、フリーで活動している方や、アルバイトや派遣などの非正規社員の方は、審査の際にマイナス評価を受けてしまいます。
収入が不安定であると評価が低くなる理由は、住宅ローンの返済が滞るリスクが高まる可能性が高いと考えられるためです。

実際に、フリーで活動している方は、毎月の収入が約束されている訳ではないので、企業から仕事が受注できず、支払いができないといったことが起こり得ます。

また、アルバイトなどの非正規雇用で働く人の場合は、短期的に働く方が多く、突然首を切られるリスクも高いため、その仕事で何十年も住宅ローンの返済を行うのは厳しいです。そのため、事前審査でマイナスの評価を受けてしまいます。

3. 借入時の年齢に問題がある

住宅ローン借入時の年齢が高いと、審査に落とされる可能性も高くなります。年齢が高いと、働き続けられる期間の残りが少ないため、同じ収入でも若い人よりも評価が低く見積もられます。
住宅ローンは35年など長期にわたって返済し続けるものであるため、あとどのくらいの期間働けるのかという点は、とても重要になってきます。
たとえば、35年ローンを25歳の方と40歳の方が契約する場合を考えましょう。このとき、25歳の方がローンを完済したときの年齢は60歳であり、十分その年齢まで働き続けることは可能です。

一方、40歳の方がローンを完済したときの年齢は75歳であり、その年齢まで働き続けることができる方は少ないと考えられます。

このように、年齢が高くなるにつれて、体力的な理由によりローンの返済が滞るリスクが高まるため、審査が通りにくくなります。

4. 健康状態で引っ掛る

健康状態が優れない方は、住宅ローンの事前審査で評価が低く見積もられるため、審査に落ちやすいです。評価が低くなる理由は、団体信用生命保険への加入条件が関係しています。
多くの金融機関では、住宅ローンの契約条件として団体信用生命保険への加入を求めます。健康状態がよくないと、この団体信用生命保険に加入できず、住宅ローンの審査基準を満たせず落とされてしまいます。

生命保険の審査は、健康状態によって左右されます。なぜなら、健康状態が悪い人の場合、保険金を支払うリスクが高まるため、保険会社にとって不利になるからです。

つまり、健康状態が悪いと、生命保険への加入が厳しくなり、その結果、住宅ローンの審査基準を満たせず審査に落ちてしまいます。

5. 担保にする資産の価値が低い

購入を検討している物件の資産価値が低いと、審査でマイナスの評価を受けます。なぜなら、資産価値の低い物件に住んでいると、住宅ローンの返済が困難になった場合に金融機関が回収できるお金が少なくなってしまうからです。
金融機関は、申請者の購入物件を担保にしてお金を貸し出します。こうすることで、もし、ローン契約者が返済不可能な状態に陥った場合でも、担保にした物件を売却することで資金を回収できます。

しかし、契約者が購入した物件が、需要のない資産価値の低い物件であると、買い手がなかなか見つからず、物件価格を引き下げることになります。その結果、金融機関はお金を上手く回収できずに損をしてしまいます。

そのため、住宅ローンの事前審査を行う際は、購入希望物件の資産価値の見定めが行われるのです。

審査に落ちてしまったときの改善ポイント5つ

以下では、審査に落ちてしまった場合に改善すべきポイントについて解説します。

1.頭金の増やす

頭金とは、物件購入時に自己資金から捻出するお金のことを指します。頭金を増やせば、住宅ローンの借入額が少なくなり、審査に通りやすくなります。

住宅ローンは、頭金なしでも契約可能なところもあります。しかし、頭金なしの場合、借入額が物件の資産価値を上回る可能性が高く、金融機関にとっては損です。そのため、頭金なしで組む場合は、審査が厳しくなります。

一方、頭金の金額を増やせば、借入額が担保にした物件の資産価値を下回る可能性は低くなり、金融機関側のお金を貸し出すリスクは小さくなります。そのため、ローン契約者は、審査に通りやすくなります。

2. ほかのローンを完済する

現在、車のローンなどを組んでいて返済中の方は、審査に通りにくくなります。そのため、現在組んでいるローンは先に完済させておくべきです。現在のローンの返済計画を改め、早めに支払いを終わらせ、その後に住宅ローンの申請を行うとよいです。
また、親族からお金を借りてほかのローンを完済するといった方法も考えられます。

3. 借入額や返済計画を見直す

借入額が多かったり、収入に見合わない無理のある返済計画だと審査は通りにくいです。理想のマイホームを求めるのもよいですが、自身の経済状況も鑑みて、ランクを下げて借入額を下げてみるのもよいでしょう。

また、両親にお金を工面してもらって、住宅ローンの借入額を減らすというのも1つの手です。事前審査を行う前に、ぜひ自身の返済計画を見直してみてください。

4. 夫婦で収入を合算する

夫婦で収入を合算し、ペアローンを申請すれば、借入枠が増えます。マイホーム購入で妥協をしたくない方は、パートナーに協力を仰いでみましょう。ただし、この方法は、夫婦共働きの場合に有効な手段となります。

5. 他の金融機関に申し込む

金融機関によって審査基準は異なります。1つの金融機関で住宅ローンの審査に落ちたからといって、ほかの金融機関でも落とされるとは限りません。諦めずにいくつかの金融機関で住宅ローンの申請を行いましょう。

ただし、手あたり次第に金融機関に申請するのはよくありません。なぜなら、別の金融機関で審査に落ちたという情報により、審査が厳しくなってしまう恐れがあるからです。

金融機関は、個人の信用情報をチェックするので、過去に申請者が審査に出した経歴があるのかどうか把握しています。いくつのも金融機関で審査に落とされている方は、何かしら難があると考えられるので、金融機関から厳しくチェックされてしまいます。

ほかの金融機関に再度申請する際は、審査に落ちた原因を探り、原因を改善した上でチャレンジするようにしましょう。

審査に通るために必要な3つのポイント

審査に通るために必要な3つのポイントをご紹介します。事前審査に通過するために、ぜひ実践してみてください。

1. ローンを組むのを控える

住宅ローンを申請する際に、ほかにローンを組んでいると、審査に通りにくくなります。そのため、ローンを組んで購入することはなるべく控え、一括で購入するように心掛けるべきでしょう。

車などの高額なモノを購入するときは、まずは親族からお金を借りられないか相談してみるのもよいです。そうすれば、ローンを組まずに済み、住宅ローンの審査に通過しやすくなります。

2. 安定的で高い収入を目指す

住宅ローンの審査に通過するためには、安定的に高い収入を得ていることが重要です。高い収入を目指すのは簡単ではありませんが、安定的な収入を得ることは誰にでも比較的簡単に達成できるはずです。

たとえば、契約社員・派遣社員で働いている方は、正社員の仕事を見つければ、安定的な収入が得ることができ住宅ローンの審査に通りやすくなるでしょう。

3. 健康的でいる

住宅ローンの契約では、団体信用生命保険への加入を条件に設定している所もあるので、日々健康的でいることも住宅ローンの事前審査に通るために必要です。

健康的に暮らすことは、毎日の生活を少しだけ変えるだけで実現可能です。お酒を飲みすぎない、ウォーキングを定期的に行う、脂ものは極力控えるといったことは、今からでも実践可能なので、ぜひ取り組んでください。

まとめ

・まずはできることから取り組んでみよう

住宅ローンの事前審査に落ちる理由、審査に必要な書類、審査に通るためのポイントについて解説しました。金融機関は、さまざまな視点からあなたの返済能力を調べて、住宅ローンの事前審査を行います。

年収を引き上げることは簡単なことではありませんが、収入を安定させたり、健康に気を遣うことは決して難しいことではなく、誰にでも可能です。まずはできることから取り組み、夢のマイホーム購入に向けて自身のライフプランを見直してみてはいかがでしょうか。

施工実績ギャラリー施工実績ギャラリー
クラブネクスタ登録フォーム
施工実績ギャラリー
PAGE TOP