NEXTA MAGAZINE

NEXTA MAGAZINE

/ 2022.10.13

  • SE 構法

【ネクスタマガジン039】強度に優れた木造「SE構法」とは

SE構法ってどんなつくり?

前回は、SE構法によって可能になるデザインについて触れてきました。そもそもSE構法とは何か?という疑問をお持ちの方もいらっしゃるでしょう。

SE構法を一言で解説すると、「一般木造よりも強度に優れた木造」です。

一般木造の場合は自然素材の無垢材を使用するため、乾燥の度合いや木の種類によって強度にばらつきがある一方で、SE構法で使用するのは強度があり品質が安定している「構造用集成材」。基礎と柱を丈夫なSE金物と高強度のアンカーボルトでしっかりと固定するため、圧倒的な強度を実現するのです。

木造だから可能な開放的な空間

SE構法で使用する「構造用集成材」は強度を向上させるために加工していますが、元となっているのは木材であるため、SE構法も木造建築に分類されます。

木造による建築は加工がしやすいため、前回ご紹介したような勾配天井などの自由な空間演出が可能です。SE構法は木造建築は多くのデザインに対応できる上、強度にも優れているため、安全面に配慮しながら吹き抜けなどのダイナミックな空間を演出できます。

安心の耐震性・耐久性

SE構法による木造は品質が安定している構造用集成材を使用している上、基礎と柱を丈夫なSE金物と高強度のアンカーボルトでしっかりと固定するため、大地震にも耐えうる強度を実現しています。
耐震性・耐久性を実現しているポイントは他にもあり、具体的には「柱と梁の接合部の断面欠損が少ない」「柱の引き抜き強度が高い」「木造住宅では珍しい構造計算の実施」といったことが挙げられるでしょう。

 

柱と梁の接合部の断面欠損が少ない

一般的な木造建築の場合、接合部に柱や梁をホゾ継ぎするため、地震時に断面欠損が起こり、構造材が本来持つ強度を低下させてしまいます。
SE構法はSE金物を使用した断面欠損の少ない構造を実現。
また使用しているのが乾燥している集成材ということで木造自体の収縮も少なく、ボルトやドリフトピンで強固に接合しているため、優れた耐震性を実現しているのです。

 

柱の引き抜き強度が高い

大きな地震によって最も壊れやすい部分が柱と基礎の連結部分です。
建物が大きく揺れると引き抜きの力が主要な柱にかかってしまうため、この部分が弱いと大地震時に柱ごと引き抜かれて建物が大きく損傷してしまいます。
この「柱の引き抜き強度」は阪神淡路大震災以来、注目されている建築要素ですが、従来の木造建築では基礎と連結した土台を介して柱が取り付けられているため、どれだけ金物で補強しても限界があったのです。
SE構法では「柱脚金物」といった特殊な金物によって基礎と柱を直接連結させているため、引き抜き強度が格段に向上します。

 

木造住宅では珍しい「構造計算」の実施

さらにSE構法では木造住宅では珍しい「構造計算」を実施しています。
この構造計算はビルやマンションなどの鉄骨造や鉄筋コンクリート造の世界ではごく一般的に行われているもので、意匠設計士がデザインした設計計画に対して、大地震や巨大な台風などによって建物が壊れないよう、専門の構造設計士がさまざまな角度から数値を割り出し、部材や太さなどを細かく決めていくものです。
これだけ読むとどんな建築にも構造計算を行ったほうが良いと思われる方が多いかと思いますが、実は木造住宅において構造計算は義務化されていません。設計士の勘と経験で建物の安全性を決めている場合も多いです。
SE構法はもともと大規模木造建築から始まっているため、木造住宅でも鉄骨造や鉄筋コンクリート造と同様に数値に裏付けられた安心の設計を行っています。

施工実績ギャラリー施工実績ギャラリー
クラブネクスタ登録フォーム
施工実績ギャラリー
PAGE TOP