人と住まいのコラム
「家づくりのホンネ」が紹介する現地調査の段階で確認しておきたい音の問題

現地調査の段階で確認しておきたい音の問題

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土地選びのキホン

多くの方がマイホームの購入の際に気にするのは立地条件です。家の性能や品質はもちろん、周辺環境の良し悪しによって住み心地や暮らしやすさが異なります。現地調査は当然行うべきものですが、その項目に家周辺に関わる音のトラブルは入っているでしょうか。日当たりや風通し、最寄り駅までの時間、買物環境などはしっかりと調べるかと思いますが、音までもチェックできているケースは稀のようです。充実した生活を送るためにも音の問題に耳を傾けましょう。

意外と盲点になりがちな家の音問題

音には住む家族が発する生活音と外部から伝わる環境音があります。住む人が出す音で問題になりがちなのがトイレの流水音、テレビやステレオなどの音です。これらは間取りや設計などの対策がなされた家を購入することで対策できます。そのため、購入前に営業担当だけでなく、その家の設計士さんなどにも確認することをおすすめします。

一方で外部からの音には道路沿いなら車の騒音、線路沿いなら電車の騒音、また近隣からの気になる音などが挙げられるでしょう。また、そうした周辺環境だけでなく、航空機の飛行ルートに家があることによる騒音なども考えられます。外部からの音に対しては住宅に防音対策を施すのが理想的ですが予算的にもなかなか厳しかったりもします。

ではもっとも現実的で有効な騒音対策は何でしょうか。その答えは、購入前に事前調査で音に関して入念に調べ、そうしたリスクが少ない物件を選ぶようにすることです。

交通音・生活音などあらゆる音がトラブルに

一般的に騒音が気になる傾向にある幹線道路沿いや線路沿いは、住宅の価格が割安な傾向にあります。窓に二重サッシなど防音対策がしてあるので「騒音は大丈夫だろう」と判断して購入、実際に入居してみたところ、電車が通るごとに音と振動がかなりすごくてストレスがたまってしまった。そんな方も少なくないでしょう。

また、近隣トラブルのなかで上位にランクされているのが生活音に関する問題です。たとえば、ご近所に住むお年寄りが早朝に雨戸を開ける音。お隣の子どもが夕方はじめるピアノのレッスンの音。来訪者があるたびにけたたましく吠える犬の鳴き声。真夜中に響く洗濯機の音など。当人にとっては気にならない音でも他人には我慢できない音の可能性があります。それが積もり積もって近隣との関係も険悪化し、最悪は事件などの大きなトラブルに発展することもあり得るのです。

現地調査の段階で入念な音の確認を

駅からの近さや周辺環境などがいい土地でも、騒音が気になるなど意外なところが盲点となるケースがあります。特に音のトラブルは住んでみないとわからないことも多いため、現地調査の段階で入念に確認をしておくべきでしょう。ただし、昼と夜では音の環境も異なるため、昼は通勤や通学で家に不在で静かでも、夜は思った以上に近隣の住民の騒音が気になるというケースもあるので注意しましょう。

また、主要道路からは離れているのに遅い時間帯になると車の走行音も意外と聞こえてくるなど、想定外の音に悩まされる方も少なくありません。購入後、家の音の問題で苦しんでいる人の多くは現地調査を行ったにもかかわらず気がつかなかったというケースもあるようです。

家は一生ものの買い物と言われています。そのため、事前調査は昼の下見だけで決めてしまうのではなくて、少なくとも昼と夜2回はきっちりと音のチェックも行いましょう。耳をすますと周辺からどんな音が聞こえてくるか。朝夕のラッシュアワーの道路の騒音はしっかりチェックしましょう。できれば朝、昼、夜の3回がベストです。そうすることにより、住んでから騒音で悩まされるリスクの低減につながります。

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