人と住まいのコラム
「不動産のギモン」が紹介する今さら聞けない分譲住宅と注文住宅の違い

そもそも分譲住宅・注文住宅とは？

分譲住宅も注文住宅も同じ新築一戸建て住宅であることは変わりありません。明確に異なる点は、すでに建てられた家を購入するか、これから建てる家をつくる段階からオーダーするかの違いです。前者が分譲住宅であり、後者が注文住宅になります。

• 分譲住宅の特徴

  分譲住宅とは、不動産業者が購入した土地に住宅を建てたうえでセット販売される住宅です。すでに家は完成していて設備内容がすべて整っているので、販売価格が決まっています。そのため、購入を決定すれば比較的短期間で暮らし始めることができます。分譲住宅はすでに建てられている物件を売買するため、建売住宅とも呼ばれます。

• 注文住宅の特徴

  注文住宅は自身が希望する場所に土地を購入し、メーカーに依頼して一から注文して建てる住宅です。設計の段階から間取りや設備、内装、外装などの要望を盛り込むことができるため、デザイン性と自由度の高さが最大の特徴だといえるでしょう。予算を考えながら自由に家をつくれるので、家のデザインやライフスタイルにこだわりを持っている人は、注文住宅を選ぶことが多いようです。

それぞれの住宅のメリット・デメリット

分譲住宅と注文住宅のどちらを選ぶかは、購入の際にどこに比重を置くかで決まります。マイホームに求める要素を明確にしたうえで比較検討するためにも、双方の特徴を知り、メリットとデメリットを把握しておくことが重要です。

【分譲住宅（建売住宅）のメリット・デメリット】
メリット ・土地と家をセットで購入できる ・購入してから暮らし始めるまでの期間が短い ・すでに完成しているので生活をイメージしやすい ・注文住宅よりも比較的安く購入できる	デメリット ・デザインの自由度が低い ・間取りが決まっている ・細かいこだわりを反映できない ・建設中の様子を確認できない

分譲住宅のメリットは、土地と家を一緒に購入できるため手間がかからず、購入金額も抑えられる点です。購入前に住宅を見学でき、実際に生活する様子をイメージしやすいのも利点となります。その反面、すでに住宅として完成しているため、つくりを変更することはできません。また、建設中の様子を見学できないため、どのような工程でどんな職人によって家がつくられたかを把握できない点にも注意が必要です。

【注文住宅のメリット・デメリット】
メリット ・デザイン性が高く、好きな間取りにできる ・予算を自分で設定できる ・素材にこだわることができる ・工事中の様子から確認できる	デメリット ・土地と住宅の契約で少し手続きが複雑になる ・購入から実際に住めるまでに時間がかかる ・分譲住宅よりも比較的費用がかかる ・設計の段階から細かい打ち合わせが多くなる

注文住宅はデザインの段階から携われるため自由度が高く、住宅メーカーに要望を伝えることで理想の間取りや外観の家をつくることができます。ただし、自分の理想に近い住宅にしやすい反面、土地を自分で探す必要があります。都心部は地価が高く、理想の土地を見つけるのは簡単なことではありません。また、すべての理想を反映させるとコストがかさむため、注文住宅の方が分譲住宅よりも費用が割高になる傾向にあります。

条件のよい分譲住宅も増えてきている

自らの趣味趣向に合わせて建てられる注文住宅は、自由度やデザイン性が高く、その点では分譲住宅より秀でているといえるでしょう。しかし、最近では注文住宅並みに住まう人の快適性にこだわった、ハイクラスな分譲住宅が増えています。企画の段階から内装、デザイン、設備とすべての面で住む人の心地よさを考えてデザインされており、高い耐震性を備えています。

最初からイメージ通りの理想の家が完成しているのであれば、それ以上に話が早いことはありません。クオリティの高い分譲住宅を選ぶのであれば、注文住宅を選択して一から手間と時間をかける必要もないのです。そのくらい近年の分譲住宅は品質が高くなってきています。

分譲住宅と注文住宅の二択に悩んでいるとしたら、機能性や素材にこだわっている分、価格帯は上がるもののハイクラスの分譲住宅を選択肢も視野に入れてみるといいでしょう。しっかりとしたコンセプトを持った分譲住宅ならば、注文住宅にも負けず劣らずの満足度を低コストで得られるはずです。