構造・品質
大興ネクスタがSE構法を採用する理由
国が認めた、耐震構法
SE構法とは、地震国日本を安全・安心に暮らしていくために開発された耐震構法です。
柱と梁を剛接合することで揺るぎない強度の骨組みを生み出し、建築を支える構造を「ラーメン構造」といいますが、SE構法は木造住宅にラーメン構造を取り入れ、安全に利用できるようにした構法です。
耐震性と設計の自由度が極めて高いSE構法を使えば、高い安全性を確保したまま、柱や間仕切り壁の少ない、開放的な空間を実現することが出来ます。強靭な骨組みと自由に編集できる空間は、現在から将来へとわたり満足が続いていく家づくりの基本です。
SE構法は1997年に木造住宅として初めて建築基準法旧第38条大臣一般認定を取得し、その後も基準法の改正に合わせてさまざまな認定を取得してきました。
現在は、日本国内の建築に関する技術評価を担っている建築の専門機関、一般財団法人日本建築センターによる構造評定を取得しています。(評定番号:LW-0020)
木造住宅最大の大空間・大開口
SE構法は木造住宅では困難とされている9メートルのスパンを可能にしています。スパン9メートルとは「クルマ3台が停まるビルトインガレージ」を柱なしでつくれる大きさといえば、そのスケールが想像していただけるでしょう。これだけの大胆な構造を、耐震性の裏付けをもって実現できることから、SE構法ならではの自由な空間が生まれます。その可能性は、木造の限界を超えて広がります。
SE構法の技術
構造計算が木造住宅を変えた
建築基準法では2階建て木造住宅は構造計算が必須とされていないため、一般的な木造住宅では壁量計算と呼ばれる簡易的なチェックしか行われていないのが実情です。しかしSE構法は構造設計のプロが全棟を構造計算しています。構造計算を実現するには、構造を構成するすべての部材の強度がわかり、接合部に強度の基準を持つことが必要です。SE構法では信頼性の高い材料のみを使用し、接合部の強度を実験等で検証。それらのデータを元に、立体解析構造計算プログラムを用いて、全ての家の安全性を証明しています。
SE金物が接合部を変えた
一般的な木造住宅は、接合部に柱や梁をホゾ継ぎするため、断面欠損をまねき構造材本来の強度を低下させてしまいます。SE構法は、大きな揺れに対して接合部が破壊されない技術を追求。独自開発のSE金物を使用した断面欠損の少ない構造によって柱と梁とを接合し、優れた耐震性能を実現しています。地震時において、さらなる安全性を確保するために、SE構法では業界で初めて、全棟Sボルトを採用しています。Sボルトは、従来の金物工法の課題を克服するために開発された特殊なボルトです。表面に凹凸加工を施し、木材にねじ込むことによって、引張剛性が向上。通常のボルトの2倍の強さを持つこのSボルトと高強度のSE金物の組み合わせにより、ラーメン構造を実現しています。
構造用集成材という選ばれた素材
コンピューター制御による高精度プレカットによって作られるエンジニアリングウッド(JAS構造用集成材)を木骨として採用。天然木材の長所をそのままに、反り、ねじれ、割れ、伸縮などの欠点を克服し、飛躍的に高い強度を実現。また、柱や梁に使われる集成材は、それを構成するひき板一枚一枚、柱梁一本一本の強度が検査されています。安定した品質が構造計算を可能にし、大規模構造建築物をも可能にします。また、揺れに対する強度だけでなく炎にも強いSE構法の集成材は45分間燃焼し続けても、表面部分は燃えますが、災害時の安全性は確保する事が出来ます。
従来の構法との比較
SE構法のメリット
実証されたSE構法の強さ
2007年の新潟県中越地震の激震ゾーンに建つ邸宅は、内部の構造材があらわし仕上げだったため、躯体損傷の有無を明確に確認することができました。
現地の目視調査では、耐力壁や接合部をはじめ、躯体の損傷はありませんでした。また、建物内の水平・垂直の計測でも、変形はありませんでした。
長期優良住宅にも対応
30年で住みづらくなる家はつくりません。
せっかく長期優良住宅で家の寿命が延びても、家族構成の変化に合わせて住まいも変化できなければ、長く住むことはできません。ライフスタイルの変化に応じて間取りを変化させるのが、スケルトン&インフィルの考え方です。躯体や基礎、外壁などの構造部分(スケルトン)と、内装や設備、仕切り壁など(インフィル)を分け、リフォームによって間取りを大きく変えていくことができます。
資産価値の向上にも繋がる、SE構法の「性能」の1つです。
頑強な基礎構造
地盤調査
強固な基礎は家を建てる上で最も重要な工事のひとつです。その基礎が接する地盤に対する処置が不十分な場合、家が傾くといった「不同沈下」が発生する可能性があります。
当社では、基礎で隠れてしまう地盤を入念に調査し最適な基礎構造に、必要に応じ地盤補強対策を行います。
180mmの厚みの鉄筋コンコリート造のベタ基礎を採用
建物の重量をしっかり支え、地震時や台風時にも均等に荷重を分散させ不同沈下に効果を発揮するベタ基礎。しっかり地業行うと同時に、配置確認に重要な捨てコンクリートの上に180mmの厚みの鉄筋コンクリート造の一体基礎構造とし建物荷重をバランスよく支えます。
コンクリートと一体ととなる鉄筋はユニット工法を採用し施工精度を上げて安全な構造にしています。
人通口
1階床下の点検を行えるよう基礎立ち上り部には人通口を計画しています。これは建物の維持管理を行うために重要な部分になります。
地盤補強
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表層改良工法
表層改良工法は比較的浅い軟弱地盤層をセメント系固化材と攪拌させ地耐力強化を図る工法です。
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柱状改良工事
柱状改良工法はスラリー状にしたセメント系固化材を柱状に地盤面と攪拌させ地盤強化を図る工法です。
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鋼管杭打設工法
安定した地耐力ある地盤面(支持層)まで炭素鋼管杭を到達させることにより建物荷重を地盤に伝える工法です。
構造体の耐力と安定を確保する、数々の強化技術
基礎と上部木造をつなぐアンカーボルト
重要な役割を持つアンカーボルトは基礎と土台をしっかりつなぎ基礎と木部を一体にします。
床面を一体とする剛床構造
モノコック構造とするための重要な部分と考え構造床材は厚み24mm以上を採用。水平構面を強くすることは地震対策に重要な要素となります。
木造の接合部をしっかり緊結する高強度な接合金物
木部構造材端部をそれぞれ接合場所に適した接合金物で緊結することで建物が一体になり高い安全性につながります。
地震・台風による建物の浮き上がりを防ぐホールダウン金物
地震時の強い揺れや台風などの強風により建物が浮き上がろうとする力(引き抜き)が発生することがあります。その時に発生する強い引き抜きから構造体を守るため性能・品質を確認したホールダウン金物を採用。施工時には自社・第3者機関を含め多重チェックを行い安全を確保します。
地震・台風時の要となる耐力壁
耐震・耐風に必要な耐力壁。建物の形状・重心を把握し1棟1棟緻密な計算を行い安全性を確認し耐力壁を計画します。
筋交いを設置すると同時に建物外周部には材質が均一で強度が安定したパーティクルボードを構造用面材として採用し建物を一体としたモノコック軸組構造にしています。
住まいを長持ちさせるための耐久性
湿気対策と通気工法
木の耐久性を引き出す鍵『湿気対策』
木の耐久性を最大限に引き出すポイントは、湿気対策にあります。一般に、木材の含水率が高い状態が長く続くと、木を腐らせる腐朽菌が生育を始めるといわれ、シロアリも湿気にさらされた木を好むという傾向があります。
当社の構造材はすべて含水率20%以下の人工乾燥材。さらに、地面からの湿気や屋根、窓、バルコニーからの浸水もしっかりガード。いつまでも安心して暮らせる木造住宅を実現しています。
外壁内部の湿気、結露対策。「通気工法」
外壁内部に湿気が滞ると壁体内結露が発生し壁内を劣化させる原因になります。当社では外壁内側に通気層を確保し更にその内側に透湿防水シート全面施工。透湿防水シートは外壁内側の湿気は外部へ放出し、外部の水は内部へ侵入させません。壁体内の通気を行い屋根部軒下と土台水切部から湿気を放出させ劣化対策を行います。
基礎全周換気工法
地盤面から400mmの高さを確保した基礎上部全周に換気用パッキンを設け通気を確保しています。
全周の換気を行うことで1階床下の劣化対策につながります。
地面からの湿気を遮断
地面からは、大量の水蒸気が発生しています。当社では、基礎の下全体に防湿シートを敷き詰め、地面からの湿気を遮断し、住まいの耐久力を高めています。
防蟻・防腐・防水
日本建築学会近畿支部のデータ(1995年兵庫県南部沖地震における木造建物の被害)によると、阪神淡路大震災でとくに被害が甚大であった東灘地区の調査(築30年未満)の結果、蟻害や腐朽のある住宅の90%以上が全半壊、それに対して、蟻害や腐朽のない住宅の全半壊は32%未満となっています。このデータからも、防蟻・防腐対策は重要です。
土台に、柱に 防腐・防蟻処理
当社では、土台に耐腐朽性・耐蟻性が高く、シロアリに強い防腐・防蟻処理剤を採用。さらに、地面からの高さ1m以内の外周の木材部に防腐・防蟻処理を実施。薬剤は、有害物質を含まない非有機リン系を使用し、健康や環境に配慮しています。
バルコニーの防水と水切りシート
1年中、風雨にさらされるバルコニーは構造用合板の上に、不燃板を敷き、その上に防水性の高いFRP(繊維強化プラスチック)を前面に塗布。また、サッシの取り付けに際しては、雨漏りを防ぐために3方向に防水テープを貼り、枠の下には水切りシートを貼付。防水性を高めるため、様々な工夫を施しています。
屋根や外壁からの雨水の侵入を防止
屋根は下葺材(ルーフィング)と屋根材の二重防水構造。外壁もサイディングと透湿防水シートの二重防水構造。
外からの衝撃により、万が一、ワレが生じても雨水が直接侵入することはありません。