人と住まいのコラム
人と住まいコラム「家づくりのホンネ」が紹介する“暮らしやすさ”に着目した間取り選び

“暮らしやすさ”に着目した間取り選び

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土地選びのキホン

国土が狭い日本では地形上、人が住める地域は実に3割程度しかありません。居住エリアが少ないうえに都市に人口が集中する傾向があるため、東京で家を買う場合は限られた土地を有効活用する間取りにすることが望ましいと言えます。また、スペースを確保するだけではなく、住まう人が快適に生活するうえでも緻密に計算された“暮らしやすい間取り”が求められます。マイホームを購入するうえで間取りのどんな点に着目すべきでしょうか?

“表記”だけでは語れない間取りの奥深さ

住宅を比較したり、評価したりする際に1つの基準となる間取り。特に住宅にくわしくない方でも、L・D・Kなどのアルファベット表記を一度は見たことがあるでしょう。それぞれリビング(居間)・ダイニング(食事スペース)・キッチン(台所)の頭文字であり、間取りの特徴を表す際に用いられます。たとえば「4LDK」であれば、4つの部屋とリビング・ダイニング・キッチンが備わった住宅であることがすぐにわかります。

間取りの表記はマイホーム購入の際の1つの目安になりますが、それだけで住宅の良し悪しを判断できるわけではありません。単純に4LDKよりも5LDKの方が、部屋数が多いことはすぐにわかります。しかし、4LDKの住宅の方がリビングスペースの面積があり、トータル的には広い場合などはよくあることです。表記に関しては単に部屋数や区画を把握するものだと認識しておくとよいでしょう。

実際に住宅のデザインや暮らしやすさを考えた部屋の配置は、表記だけでは示すことはできません。その住宅が家事動線を意識した移動しやすい連動したキッチン、リビング、寝室になっていたり、階段がスキップフロアになっていて中間フロアの活用ができたりなど暮らしやすさに着目した多彩なデザインが施されている場合もあります。したがって間取りだけでなく、その配置やデザインまで意識することが重要になります。

理想を叶えるためには暮らしのイメージが大切

理想を追求するうえで重要なファクターである間取りの配置やデザイン。それらの良し悪しによって暮らしやすさが変わってくるだけに、住宅を購入する際はまず家族の意見を集約することが大切です。「どれくらいの部屋数がいいか」「和室は1階に配置したい」「リビングの天井は吹き抜けがいい」など、それぞれの理想はさまざまなだけに、譲れない点を協議して理想形のイメージを固めていく作業をしていきましょう。

予算や敷地の都合などで100%理想を叶える住宅を手にすることは難しいと言えます。しかし、家族の意見を集約した具体的な譲れない点をベースにすれば、より暮らしのイメージは明確になります。「絶対に子ども部屋は個別でほしい」「絶対にリビングにはみんながくつろげる広さがほしい」など、「絶対に」と強調する部分こそが、明確にイメージできている理想的な暮らしなのです。

そうした具体的なイメージがあれば、購入後の理想と現実のギャップが生まれにくくなり、新居での暮らしに後悔する可能性もグッと低くなります。よく住宅購入の際には「夢を語ることが大切」と言われますが、大げさではなく近未来の暮らしを想像するためには不可欠なことだと言えるでしょう。配置やデザインを中心に間取りについて家族で語り合う――住宅購入前にはそうした機会を意識的に持つことをおすすめします。

住宅業者に理想の間取りのイメージを伝えよう

家族間で住宅に関する理想の間取りをイメージできたとしたら、次のステップはそれを住宅業者に伝えて共通認識を持つことが大切です。自由設計で一から家づくりを行う注文住宅の場合はもちろんのこと、分譲住宅においても明確なイメージを住宅業者と共有することによって、理想に近い住宅を案内してくれる可能性が高まります。譲れない点を汲み取って理想の家とマッチングさせることが住宅業者の醍醐味なので、より多くの情報を供給できた方がおのずと成功率は高くなるでしょう。

住宅購入という人生でも最大級の買い物だけに、自身や家族のライフスタイルに合った理想の家を追求したいと考えるのは当然のことです。そうした理想を追求するうえで、どれくらいの部屋数でどんな配置でどんなデザインでの間取りかを具体的にイメージし、それをきちんと言語化して住宅業者に伝えることが必要になります。

現在、住宅の購入を考えていて、漠然としたイメージをお持ちの方は、家族も含めてどんな間取りだと暮らしやすいかを真剣に考えてみるといいでしょう。何となく描いていた理想の暮らしが一気に“現実的な未来”に変わるかもしれません。

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