人と住まいのコラム
「不動産のギモン」が紹介するマンションではなく戸建てを選ぶことの利点

マンションではなく戸建てを選ぶことの利点とは

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不動産のギモン

家を購入する際に悩むポイントの1つとして、戸建てにするかマンションにするかの選択が挙げられるでしょう。 もちろん、それぞれに一長一短あってなかなか結論が出せないというのが本音かもしれません。では、実際に戸建住宅を選択した方は、何が決断の決め手になったのでしょうか。マンションではなく、戸建住宅を選んだ方の視点に立ち、その利点について検証します。

多くの家庭が悩む戸建てかマンションかの選択

マンションにすべきか、戸建てにすべきかの結論は、それぞれの方の“趣向によりけり”ということになります。なぜならそれぞれに魅力があり、欠点もあるからです。また、実際に購入する方の生活スタイルや価値観によっては、欠点と思われるものが魅力になり、魅力と思われるものが欠点にも十分になり得るでしょう。

ただ、「広い庭で花を育てたい、ペットと触れ合いたい」というのなら、戸建ての一択でしょう。一方、「高層階からの眺めを満喫しながら生活したい」という方なら、マンション以外の選択肢はあり得ません。もちろん、ここまではっきりした希望があれば、最初から迷うことはないはず。本当に悩ましいのはもっと別の問題だったりします。

たとえば、「マンションには住みたいけど、集合住宅だけに知らない人が壁を隔てて隣にいるということに抵抗がある」とか「戸建ては広くて魅力的だけど、庭の手入れが面倒くさそう」というように、その人にとってメリット・デメリットが微妙に交錯している場合では、結論を出すのに時間がかかるでしょう。また、夫妻間で意見が異なる場合はさらに話がこじれるものです。

それぞれのメリット・デメリットを比較検証

いずれにしても、マンションか戸建てかの選択は当事者の考え方次第ですが、それでも、具体的な検討材料があることに越したことはありません。そこでマンションと戸建てにはそれぞれどんなメリットがあり、デメリットがあるのかを比較してみました。

                       
比較要素 戸建て マンション
価格 同じ立地条件ではマンションより高くなる 同じ条件なら戸建てよりも安くなる
資産価値 土地がある分、築年数が経過しても資産価値を維持しやすい 土地がある分、築年数が経過しても資産価値を維持しやすい
維持費 駐車場代・管理費が不要 管理費や修繕積立金、駐車場代で月々一定額の出費がある
防犯 塀や植栽などで外部から目隠しできても、マンションに比べて外部からの侵入は容易で、空き巣や放火の被害を受けやすい。ホームセキュリティが必須 オートロック完備で戸建てよりも外部からの侵入がしにくい
防災 戸建ての耐震性は構造設計次第だが、備蓄や停電対策の点ではマンションに劣る 免震構造や制振構造を採用する物件もあり、備蓄倉庫や自家発電装置の導入が進んでいる
広さ 平均建物面積は90m2でマンションより20m2広い 平均建物面積は70m2
間取り 上下階で共用部(LDK)、個室と上手に住み分けができる 階段の上り下りを必要とせず(メゾネットタイプは別)、家事動線では有利
立地 マンションに比べると最寄り駅へは遠い傾向に 駅近物件であることが多い
管理 掃除・ゴミ出しは自分で 掃除は管理会社が代行。24時間ゴミ出しができるマンションも
トラブル 隣家との距離があるので、騒音などではマンションよりも気を遣わずに済む 騒音問題で隣近所とトラブルになるリスクは戸建てより集合住宅のほうが大きい。ただし、最新のマンションでは騒音対策が進んでいることが多い

生涯コストにおいて割安になるのは戸建て

上の表のようにそれぞれの特徴を整理してみると、家に対する自分たちの考え方がクリアになるかもしれません。ただ、前述の通り、多くの場合、メリットとデメリットは表裏一体であり、人それぞれ考え方の違いで結論がどちらに転んでも不思議はありません。また、△印を付けた項目でも中には、工夫や努力次第で改善できる点もあります。ただし、どちらが「おトク」かは、はっきりしています。

生涯にかかるコストで見ると、軍配は戸建てに上がります。なぜなら、マンションのように管理費や修繕積立金、駐車場代、駐輪場代といった毎月の出費が不要だからです。もちろん、戸建住宅の場合でも、リフォームや修繕などでお金は発生しますが、それでも、マンションの維持にかかる費用はその倍にもなります。同じ立地条件なら、どうしても戸建て住宅のほうが価格は高くなりますが、長いスパンで見るとコスト面では圧倒的に有利です。

ただし、コストはあくまでも比較要素の1つに過ぎません。多少の割高感はあってもやはりマンションに魅力を感じ、住んでみたいという方もいるでしょう。ただ、お金の問題はきわめて重要な検討材料です。人生には三大支出と言って「住宅費」「教育費」「老後費」がありますが、住宅費が突出すれば、子どもの教育やご自身の老後に大きく影響します。その意味でも、コストの面から、住まい選びを考えるのは妥当なことと言えるでしょう。

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