人と住まいのコラム
「不動産のギモン」が紹介する消費税増税を見越したマイホーム購入の最適な時期

消費税増税を見越したマイホーム購入の最適な時期

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不動産のギモン

2017年10月に行われた衆議院選挙で自民党が勝利したこともあり、安倍内閣の継続が決まりました。それと同時に多くの国民が関心を寄せる現在の8%から10%への消費税増税も規定路線と言えるでしょう。 ともなれば今後、消費税増税を見越したマイホームの駆け込み需要の増加が予想されます。近い将来の増税が確定的な2018年現在において、住宅購入の最適な時期とはいつなのでしょうか?

2度の延期があった消費税10%への増税

2012年、当時政権を担っていた民主党の野田佳彦政権において長らく5%だった消費税を2014年4月に8%、2015年10月に10%へと引き上げる消費税増税法が提出されました。そして、参院本会議で可決し、1997年に5%に上がった以来の消費税増税が決定しました。その後、政権交代が起こったものの、自民党の安倍晋三政権の下で2014年4月に消費税が8%に上がりました。

政権交代時から安倍晋三政権では民主党時代より続いていた不況の打開案として、アベノミクスと称するさまざまな経済政策が講じられているのは皆さんもご存知の通りです。しかし、アベノミクスによって徐々に経済は上向きになってきているものの、いまだに国民全体が好景気を感じられるような変化は起こっていません。そうした経済状況の中で、8%への引き上げ1年半後の10%への増税は経済を緊縮させる恐れがあると判断されました。

そして、2014年11月、さらに2016年6月という2度の延期がなされ、消費税10%への増税は2019年10月へと持ち越されています。2019年の増税に関して安倍晋三首相は、経済情勢を踏まえたうえで最終判断をするとしながらも、「予定通り行っていく考え」と述べています。

10%になることで変わる住宅購入事情

2019年に予定されている10%への消費税増税。2度にわたり延期されているだけに、よほどのことがなければ予定通りに実施される可能性は高いでしょう。8%から10%の増税は、上げ幅で見ればたったの2%かもしれません。しかし、例えば3,000万円の住宅を購入した場合、消費税が8%では税込みで3,240万円ですが、10%に上がると3,300万円となり、増税後は支出が60万円も多くなる計算です。それは家計にとって決して少なくない打撃を与えます。

さらに建物や建築代金のほかに「仲介手数料」「住宅ローン」「登記手数料」や、もちろん引っ越し費用や家具、家電などを新調する場合にはそれらも増税の影響を受けることになります。建物の代金ほどではないものの、消費税分を合計するとそれなりの負担が増すことは否めないでしょう。そのため、10%に上がる前に契約しようとする駆け込み購入の需要が急増することが予想されるのです。

増税前がベストな購入時期とは限らない

増税が施行されればその分負担が増えるため、増税前に購入してしまいたいと思うのは当然でしょう。しかし、必ずしも増税前に住宅を購入することがベストとは言い切れません。増税前に慌てる購入希望者が続出することは容易に想像がつきますが、その後増税によって買い手が減少すれば、市場全体で価格の下落が起こる可能性もあります。過去に増税が行われた際にも反動による値段の低下は起こっており、今回も同じように住宅市場が変化していくことは十分に考えられるでしょう。

また、増税後には以下のように「住まい給付金」を受け取れる範囲が拡大し、かつ増額される見込みになっています。

消費税8% 消費税10%
年収額の目安 給付基礎額 年収額の目安 給付基礎額
425万円以下 30万円 450万円以下 50万円
425万円超475万円以下 20万円 450万円超525万円以下 40万円
475万円超510万円以下 10万円 525万円超600万円以下 30万円
600万円超675万円以下 20万円
675万円超775万円以下 10万円

さらに両親や祖父母などから多額の資金贈与が期待できる場合、「住宅取得資金としての贈与」であれば一定の非課税枠が設けられていますが、この非課税枠も拡充されるため増税後の購入で負担を減らすことも可能です。

住宅を増税前に購入する場合と増税後に購入する場合、どちらにもそれぞれメリット・デメリットがあります。そのため、ベストな購入時期はそれぞれの状況を踏まえたうえで吟味する必要があるでしょう。つまり、住宅購入を検討するのであれば、まずは家庭の事情を深く相談でき、的確なアドバイスをしてくれる信頼できる業者を見つけることが先決だと言えるかもしれません。

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