人と住まいのコラム
「家づくりのホンネ」が紹介するビルトインガレージの家の長所と短所

気になるビルトインガレージの家の長所と短所

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家づくりのホンネ

駐車場と一体となったビルトインガレージの家は、多くの人が一度は憧れたことがある住宅ではないでしょうか。駐車場が建物内部にあれば車の安全を確保できるだけでなく、月極駐車場の金額が高い都内においては月々の駐車場代がかからない点もメリットです。ただし、ビルトインガレージを採用することで建物構造的に制限せざるを得ない場合があるなど少なからずデメリットも存在します。ではこれからビルトインガレージの家を購入する場合にはどのような点に着目すればいいのでしょうか。

駐車場を併設したビルトインガレージの家

ビルトインガレージの家とは、建物内部に駐車スペースを確保した家を指します。基本的に1階部分に車が入る駐車スペースを設けるため、開口部が大きいつくりになる点が特徴です。開口部は駐車する車の台数が多ければ多いほど広がるため、場合によっては1階に設けられることが多いリビングスペースなどを2階や3階にする必要が出てくることもあります。

ビルトインガレージの大きなメリットとしては、屋根と柱だけの簡単な車庫であるカーポートとは異なり、車を野ざらしにしなくて済むという点が挙げられるでしょう。ビルトインガレージでは、車が壁面にしっかり覆われて守られるため、雨風・直射日光や車上荒らしなどの犯罪から車を守ることができます。また、居住スペースから直接ビルトインガレージに出入りができるような設計にした場合、悪天候であっても車の乗り降りが容易になるという点も見逃せません。

一方で、ビルトインガレージは設置しようとすると1階部分の大半を占拠してしまうデメリットがあります。キッチンやバスルームなど家族の共有設備が2階や3階に移動するのは不便になることもあり、高齢になった際の上下の移動が大変になるかもしれません。また、柱なしで広い駐車空間を確保しなければならないビルトインガレージは、強度を高まる必要があるため、通常の住宅よりもコストが余計にかかる可能性があります。

東京などの都市圏では高い月極駐車場

ビルトインガレージの家は、通常よりも建築費がかかってしまう可能性は否定できません。しかし、家を購入するのが東京を中心とした都市圏である場合、長期的に見れば経済的にお得となる可能性も秘めています。その理由は、都市圏にある月極駐車場の設定金額の高さにあります。

特に中央区や千代田区などの都心部では平均5万円前後の駐車場代がかかると言われており、たとえ中心部から離れたエリアであっても駅近くであれば3万円前後はかかるのが、東京の駐車場の実情です。また、都心は駐車場の数自体が非常に少ないため、タイミングに恵まれなければ家から行きづらい不本意な場所の駐車場を借りざるを得ないケースは十分に考えられます。

車を所有する期間が長期にわたれば、駐車場のオーナーに代金を払い続けることになります。今後数十年にわたって支払う駐車場代を考慮すれば、たとえ建設時にコストがかかったとしても、ビルトインガレージの家を建てる方が賢明な選択だと言えるかもしれません。

車を重宝する家庭にはおすすめ

ビルトインガレージの家は便利な反面、部屋のスペースが減る、費用が高くつくなどのデメリットがあります。なかでも費用の高さは見逃せない懸念点と言えるでしょう。実際、ビルトインガレージを設置している家庭は、非常に裕福であることが多い傾向にあります。ただし、そうした費用面を鑑みたうえで車を重宝する家庭であれば、非常に機能的な家であると言えます。

また、ビルトインガレージは車のカスタマイズがしやすかったり、自宅でモーターショーができたりと車が趣味ならば、家における“お気に入りの場所”になることは間違いありません。生活に車が欠かせない方や車が人生の趣味でさまざまなカスタマイズがしたいという方にとって、ビルトインガレージの家は非常に機能的な住宅だと言えるでしょう。

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