人と住まいのコラム
「不動産のギモン」が紹介するアフターメンテナンス

購入後も定期的にすべきアフターメンテナンス

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不動産のギモン

購入時はどんなにきれいで立派な家だったとしても、人が年を取るのと同様、家も経年による劣化を避けられません。 そのため、少しでも長く家の美観や機能性を保つためには定期的にメンテナンスを行うことが不可欠であり、購入後の維持費についても最初から念頭に置いておく必要があるでしょう。では長く住み続けるための“住まいのケア”は、どのくらいの頻度で行えばいいのでしょうか。また、その費用はどの程度かかるのでしょうか。

家は必ず経年劣化していくもの

食べ物や洋服から人に至るまで、この世に存在するありとあらゆるものは必ず経年により劣化していきます。もちろんそれは、家族の生活の拠点となる家も例外ではありません。人が歳をとるに従って肩や腰など身体の節々が痛んでいくように、家も年月を経るに従い屋根の塗装が剥がれたり、壁面にヒビが入ったりするなど、あちこちに傷みが生じます。

中でも特に激しく劣化するのが、日々風雨や紫外線に晒されるなど外的環境の影響を受けやすい屋根と外壁です。新築の数年間は問題ないかもしれませんが、年月を積み重ねることによるダメージの蓄積が想定されます。そのため、気づいた時には景観的にも機能的にも劣化した状態になっているケースも十分にあり得ます。

こうした家が劣化しているサインをいつまでも放置しておくと、いずれ大きな問題へと発展することは間違いありません。人も痛みが生じたり、病気にかかったりした際には早めに病院へ行くのが吉といいますが、家においてもそれは同様です。ひび割れや外壁塗装の剥がれなどに気がついたときには、すぐに専門家へのメンテナンスの依頼を検討すべできでしょう。

ケアによって家も”いい年の取り方”を

家を少しでも長く快適に暮らせる状態を保つために定期的にチェックをしたり、アフターメンテナンスを行ったりするのは非常に大切なことですが、それ以上に重要なのが常日頃から実践する家へのケアです。日常的に使用する場所を日々掃除することはもちろん、普段意識することの少ない天井や網戸などもこまめに綺麗にしておくことで、家も「いい年の取り方」をしてくれるのではないでしょうか。

人は年を取るに従い美しさを失っていきますが、かわりに長い年月を生き抜き、多くの経験を重ねることで人としての奥深さを体得していきます。そうすることで若いころよりも深みのある魅力的な人物になることもできるでしょう。同様に家もしっかりとケアをしていけば、真新しい景観は失われても、年季や風合いが増していくものです。

家の美観は住まう人のメンテナンスの意識によって変わります。自身の肌をケアするように、きちんとメンテナンスを施した家は、経年劣化するのではなく、むしろ”いい年の取り方”をすることで経年美化することも夢ではありません。海外の古い歴史的建造物に趣きを感じるのは、徹底したメンテナンスによって経年美化を実現しているからです。

メンテナンスは計画性こそが重要

アフターメンテナンスをするうえで重要なのは、マイホーム購入時期にしっかりと計画を立てておくことです。家のどの部分をメンテナンスするのか、メンテナンスのレベルとしては補修程度で済ませるのか、それとも思い切ってリフォームやリノベーションに踏み切るのか、事前に業者や家族間でしっかり確認をしておきましょう。

特にリフォームやリノベーションを考慮している場合には、より緻密な計画が必要となります。間取りを変更することで強度が落ちないかなどを動線や建物の構造を念頭に置きながら、じっくりと話し合い詳細を詰めていかなければいけません。そのため、後からリフォームやリノベーションが行いやすい、可変性のあるスケルトン・インフィル住宅などは、建物の将来を見据えるのであればおすすめです。

家のメンテナンスにかかる費用は決して安くないため、劣化が見られても決断を躊躇(ちゅうちょ)してしまうかもしれません。しかし、何もせず放置していれば家の劣化はどんどん進行します。人間のお肌同様、家も定期的なケアを徹底するようにしましょう。きちんとしたメンテナンスをするためには、家を購入した時点からその後のケアまでをしっかりと計画に入れておくことが大切です。

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